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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第三十九章 帰宅時間が来て

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第169話 主婦の本気

「かなめちゃん。そのままうがいを……」 


「うるせえ!オメエはアタシのお袋か!口をはさむんじゃねえ!」 


 アメリアの言葉にかなめはキレて怒鳴りつけた。手を洗い急いで戻ってくるとかなめは再び鶏肉を手に持ってそれにかぶりついた。


「旨い!」 


 そう一言叫んだ後、かなめはひたすら肉に集中して食べ続けた。


「あのー、どう?」 


 薫はあまりに見事なかなめの食べっぷりに呆れながらそう尋ねた。


「お母様無駄ですわよ。西園寺様はもうお肉のとりこになられて……」 


 ふざけて気取ったときにかなめが口にするような丁寧な言葉を発したアメリアを、かなめは口に肉をくわえたまま蹴飛ばした。


「ふざけているんじゃない!神前。手を洗ったほうがいいぞ」 


 そう言うカウラの視線も肉の塊に向いていることに誠は気づいていた。彼女もやはり食べてみたいようなので自然に誠の表情も驚きから喜びに変わった。


「私は要らないからさっさと手を洗ってくれば?」 


 アメリアにまで気を使われたら誠も断るわけには行かなかった。そのまま廊下をひとたび玄関のほうに向かうと手前のドアを開いて洗面所に入った。


『うめー!』 


『それはよかったわ!今他の肉は仕込みの最中だから。手伝ってもらうときは声をかけるわね』 


 かなめの叫び声と、母のたしなめるような言葉が響いてくる中誠は手を洗っていた。


「まーこーとちゃん!」 


 そう言ってアメリアが後頭部にチョップしてきた。誠は驚いて振り向いた。


「何するんですか?」 


「失礼ね!私も手を洗いに来たのよ」 


「食べないんじゃなかったんですか?」 


 誠は態度を変えて見せたアメリアに声をかけた。


「うるさいわね!気が変わったのよ!いいでしょ?別に」 


 そう言うと手ぬぐいを手に取っている誠を押しのけるようにしてアメリアは手を洗う。そんないつものように気まぐれな彼女に気づかないうちに笑顔が浮かんで来ているのが分かった。



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