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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第三十六章 色々あった時代

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162/200

第162話 それぞれの今

「そう言えば……軍のどこだ?陸軍……海軍……」 


 鶴橋の質問ももっともだと思った誠に笑みがこぼれた。実際、誠も幹部候補生過程修了の際には希望すれば体育学校の野球部への編入をすると教官から言われたのを断った前例があった。


「いや、同盟司法局だよ、僕は」 


 その一言で鶴橋の目が驚きに変わった。


「あれか?この前、都心部でシュツルム・パンツァーを起動して化け物相手に格闘戦をやったあの……」 


「その部隊です。正式名称は『司法局実働部隊機動部隊第一小隊』と言います」 


 きっぱりと言い切るカウラの言葉が響いた。監督の驚きはしばらくして唖然とした表情に変わった。大体が司法実働部隊と言う性格上、公表される活動はどれも司法局実働部隊の一般市民からの評価を下げるものばかりなのは十分知っていた。


「もしかして……パイロットとかをやっているわけじゃ無いだろうな」 


「ええ、彼は優秀なパイロットですよ。隊長の私が保証します。現にスコアーは巡洋艦1隻にシュツルム・パンツァー8機撃破。エースとして認定されています。あの厚生局の事件でも彼が我が隊の05式のパイロットとして操縦を担当していました」 


 カウラの言葉にしばらく黙って考え事をしていた監督がぽんと手を打った。


「ああ、だからか……雰囲気が変わったな。以前のお前はそんなに自信がありそうな顔はしてなかった。誰と会う時もどこかおどおどした雰囲気があった。今はまるで違う。お互い変わったんだな」 


 鶴橋はそう言って満足げな笑みを浮かべた。


『変わったのかな……僕自身に自覚は無いんだけど』 


 誠は指摘を受けて苦笑いを浮かべた。


「お前は確かアニメ研究会にも所属して……なんだっけ?あの人形」 


「フィギュアです」 


「ああ、それをたくさん作って文化祭で飾ってたよな。昔から手先だけは器用だったからな、お前は」 


 すべてを思い出した。そんな表情の鶴橋を見てさすがのカウラまでも苦笑いを浮かべる状況となっていた。そして誠は悟った。このまま高校時代のネガティブな印象をカウラに植え付けることは得策とはいえないことを。


「じゃあ……僕達はこれで」 


「いいのか?先生とかも会わないのか?」 


 明らかに誠の考えを読んだようにかなめを挑発するときのように目を細めてカウラがそう言った。


「いいよ!また来るから!その時は……」 


「おう!その時はあいつ等に少しアドバイスとかしてくれよ!」 


 鶴橋もさすがにわかっているようで部員時代は見なかったような明るい表情で立ち去ろうとする誠を見送った。



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