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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第三十二章 ありふれた事件

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第137話 武装警察官として

 カウラが突然通信端末を取り出した。その振動で着信を告げたのだろう。


「事件か?」 


 そう言ってカウラは端末の画面を覗いた。誠もアメリアも同じ動作をした。


「通り魔か。小門町で三人が刃物で切りつけられ、一人が心肺停止状態。犯人と思われる男はそのまま浅間通りを北に向かった……このままだとこっちに来るな」 


 情報が脳に直結しているサイボーグであるかなめはそう言って誠達の顔を見つめた。誠ものぞき見た端末でそれを確認した。そして同時の刃物での犯罪と言うことでこのところ東都で連続している辻斬り事件を不意に思い出した。


「西園寺、神前。とりあえず情報の確認に向かうぞ。薫さん、ちょっと仕事が入りましたので」 


 そう言ってカウラは敬礼し、急ぎ足で端末の示す交番へと歩き始めた。かなめは荷物をアメリアに押し付けてそのまま歩き出した。


「辻斬りとは違う犯人だろうな。あいつの手口はすべて一太刀で被害者が事切れてる。それに日中から複数の標的を狙ったケースは一件も無いしな」 


 かなめは走りながらそう言って事件の犯人像を断定した。


「決め付けるな。これまでとは状況が違うケースが起きたとも考えられる。とりあえず本部が私達に連絡をしてくるってことは、それなりの関連性が疑われていると言うことだ」 


 そう言うとカウラは走り始めた。かなめは後に続く誠に笑いかけた後、サイボーグらしい瞬発力で一気に加速してアーケードの出口を飛び出していった。走る三人に周りの買い物客は奇妙なものを見るような視線で誠達を眺めていた。


 アーケードを出てすぐにパトカーが停まっている交番があった。二人の警察官が通信端末でのやり取りを立ったまましながらカウラと誠を迎えた。カウラはポケットから取り出した端末に身分証を映し出して警官に見せた。猜疑心に満ちた二人の目が瞬時に畏敬の念に変わった。


「これは……お疲れ様です!」 


 誠と同い年くらいの巡査がそう言うと敬礼した。すぐに中に入るとすでに据え置き型の通信端末の前にはかなめが座り込んで首筋のスロットから伸ばしたコードを端末のジャックに差し込んでいるところだった。


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