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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第三十章 神前家の午後

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第134話 かなめの気遣い

「そう言えば西園寺さんさっきどこかと通信してましたね」 


「は?」 


 アメリアの後頭部の紺色の髪の根元を引っ張っていじっていたかなめが不機嫌そうに振り返った。そしてしばらく誠の顔をまじまじと見た後、ようやく思い出したように頭を掻いた。


「ああ、銃の話でサラから連絡があってな」 


 かなめの言葉に誠は目が点になった。サラと言えば厚生局の法術違法研究事件で一緒に捜査を担当していたが、彼女の銃はブリッジクルー共通のベレッタ92FSでサラに銃に対するかなめのようなこだわりがあるとは思えなかった。


「サラさんが銃……どう考えてもつながらないんですけど。あの人は与えられた銃なら何でも良いって感じですし」


 誠の間抜けな質問にかなめは大きくため息をついた。


「なんでも珍しいのを手に入れたって小火器担当の奴から連絡があったんだ……どこで手に入れたかは知らねえけどな。それを見てサラがまたつまらないことを始めたんだと。彼氏の島田の頭の中もアレだが、付き合ってるサラの頭の中もアレだな」


 かなめは皮肉たっぷりにそう言うと関心も無いと言うように視線を目の前の劇画に戻した。


「はあ……」


 今度はしばらく誠が黙り込む。誠にはかなめの言葉の意味がはっきりとは分からなかった。銃を一番使うかなめに連絡があったのは当然だということで自分を納得させた。


 不機嫌そうなかなめから目をそらすと荒いものを終えた母が誠を手招きしていた。


「ああ、出かけるみたいですよ」 


 誠の言葉にアメリアがさっさと立ち上がった。しゃべり足りないかなめは不機嫌そうにゆっくりと腰を上げた。すでに暖かそうなダウンジャケットを着込んだ母とカウラを見ながら誠はそのまま居間にかけてあったスタジアムジャンバーに手を伸ばした。


「この格好だと変かな?」 


「この寒空にタンクトップ?馬鹿じゃないの?」 


 カウラから渡された濃紺のコートを羽織ながら鼻で笑うアメリアをにらんだかなめだが、あきらめたようにダウンジャケットを羽織った。


「じゃあ、いいかしら」 


 薫の言葉で誠達は出かけることにした。



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