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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第三十章 神前家の午後

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第131話 時季外れのバースデーケーキ

「ああ、そうだ。アメリア。頼まれてたバースデーケーキの手配な。済ませといたぞ。今の時期はこの東和では貴重な子供のいる核家族がクリスマスケーキを注文するんだそうだ。ケーキ屋の親父相当嫌な顔したぞ、空気を読めってな。ちゃんと感謝しろよ」 


 かなめの言葉に食事を終えたアメリアは満足げに頷いていた。それを見て少しだけ気分が晴れた誠はそのまま昨日のイラストの仕上げをしようと階段を駆け上がった。


 椅子に座り、もう一度自分の描いたイラストを見てみた。そしてアメリアが指摘したゲームのキャラのデザインを思い出してみた。


 アメリアには主人公の高校生の前世が混沌をもたらした魔王であり、その魔王に作られた女将軍と言う設定だと言われていた。魔族とは思えないほどの生真面目で純粋な性格、そして自分への絶対的な自信で普通に人生を送ろうとする主人公に地上、天界、魔界の征服を目指すように諭すキャラだと言われていた。


「真面目なところ……カウラさんにぴったりだな」


 あまり文章力が無くて面白い物語を作るのが苦手な誠はオリジナルキャラを作るのが苦手だった。


 その点アメリアは彼女が言うには『苦しい修行の成果』とかでキャラクターを考えればすぐに湯水のように出てくる才能が有った。


 誠はアメリアの言葉を思い出し、絵の中のカウラにその過去に背負った背景のようなものを与えることを考えてみた。


 カウラには8年、そして今度迎える9年の時間の経験しかない。当然、社会生活適応所での経験と東和陸軍での勤務の経験、そしてこの『特殊な部隊』での経験がカウラの経験のすべてだった。


 彼女に何か背景が欲しい。誠としてもこれから一緒に過ごしていく仲間として様々な経験を彼女に積ませてあげたかった。


 それが部下としては僭越なのはわかってはいたが、人生の先輩として出来るだけの事をしたい。その為のイメージの一つとしてこの絵を仕上げたい。誠の心は決まっていた。


「カウラさん。きっと喜んでくれますよね。これからも応援していますからね」


 誠はそんな独り言を言いながら紙の上に筆を走らせた。



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