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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第二十五章 誠に浮かんだアイディア

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第111話 助言者と言うより邪魔者

「ご馳走様。それじゃあ僕は……」 


 誠が立ち上がるのを見るとアメリアも手を合わせた。


「ご馳走様です。おいしかったわね。それじゃあ、私も誠ちゃんの部屋に……」 


「なんで貴様が行くんだ?」 


 カウラの言葉にただ黙って笑みを浮かべてアメリアが立ち上がった。その様子を見てそれまで薫の動きに目を向けていたかなめも思い出したような笑みを浮かべた。


「じゃあアタシもご馳走様で」 


 今度はアメリアまで急いで残ったご飯を口に掻きこんでそう言うと立ち上がった。


「貴様等は何を考えてるんだ?つまらないことなら張り倒すからな」 


 誠達の行き先が彼の部屋であることを悟ったカウラが見上げてくるのをかなめは楽しそうに見つめた。


「ちょっと時間がねえんだよな、のんびりと説明しているような」 


 そう言って立ち上がろうとするかなめを追おうとするカウラを薫が抑えた。


「なにか三人にも考えがあるんじゃないの。待ったほうが良いわよ、誠達が教えてくれるまでは」 


 カウラは薫の言葉に仕方がないというように腰掛けて誠達を見送った。


「なあ、悟られてるんじゃねえのか?」 


 階段を先頭で歩いていたかなめが振り向いた。


「そんなの決まってるじゃないの。誠ちゃんが画材を買ったことはカウラちゃんも知ってるのよ。問題はその絵のインパクトよ」 


 そう言ってアメリアは誠の肩を叩いた。


「なんでお二人がついて来るんですか?」 


 さすがの誠も自分の部屋のドアを前にして振り返って二人の上官を見据えた。


「それは助言をしようと思って」 


「だよな」 


 あっさりと答えるアメリアとかなめに誠はため息をついた。おそらく邪魔にしかならないのはわかっているが、何を言っても二人には無駄なのはわかっているので誠はあきらめて自分の部屋のドアを開いた。


「なんだ変な匂いだな、おい」 


「油性塗料の匂いよ。何に使ったのかしら」 


 部屋を眺めている二人を置いて誠は買ってきた画材が置いてある自分の机を見つめた。とりあえず誠は椅子においてあった画材を机に並べた。


「あ!こんなところにフィギュアの原型が」 


 幸いなことにアメリアは以前誠が作ったフィギュアの原型に目をやっていた。誠はその隙にと買って来た並べた画材見回すと紙を取り出した。


「しかし……凄い量の漫画だな」 


 本棚を見つめているかなめを無視して机に紙を固定する。誠は昔から漫画を書いていたので机はそれに向いたつくりとなっていた。手元でなく漫画にかなめの視線が向いているのが誠の気を楽にした。


 そして紙を見て、しばらく誠は考えた。


 相手はカウラである。媚を売ったポーズなら明らかに軽蔑したような視線が飛んでくるのは間違いが無かった。胸を増量したいところだが、それも結果は同じに決まっていた。


 目をつぶって考えている誠の肩をアメリアが叩いた。


「やっぱりすぐに煮詰まってるわね。そう言う時こそ私達を頼りなさいな」 


 そんな言葉に自然と誠は頷いていた。それまで本棚を見ていたかなめもうれしそうに誠に視線を向けてきた。



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