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8話 しゃっくり対ドラゴン!意外な作戦

黒いドラゴンが学校の近くまで迫り、その咆哮で周囲の木々が揺れる。魔法学校の生徒たちや教師たちは慌てて防衛準備を始めるが、ドラゴンの圧倒的な威圧感に誰もが怯んでいる。


教師

「防御結界を張れ!攻撃部隊は準備を!」


智明はルミナとカルロスと共に状況を見つめていた。


智明

「おい、あんな化け物相手に俺が何をすりゃいいんだよ!しゃっくりじゃ炎一発も通らないだろ!」


カルロス

「確かに普通なら勝ち目は薄いが、君のしゃっくり魔法には未知の可能性がある。試してみる価値はあるだろう。」


ルミナ

「トモさん、私も一緒に戦うから!あきらめちゃダメ!」



ドラゴンがついに結界を突破し、火のブレスを放つ。防御結界が砕け散り、学校の一部が炎に包まれる。


黒いローブの男

「さぁ、見せてみろ。そのしゃっくり魔法の真価を!」


智明は一歩踏み出し、しゃっくりを始める。


智明

「ヒック!……ヒック!」


小さな火の玉がドラゴンに向かうが、まるで効果がない。


智明

「くそ、全然ダメじゃないか!」


カルロス

「属性を変えて試してみろ!何が通じるかわからない!」


智明はしゃっくりを繰り返し、次々と水、風、氷の魔法を放つが、どれもドラゴンに大きなダメージを与えられない。



ルミナが観察する中で、あることに気づく。


ルミナ

「トモさん、あのドラゴンの胸のところ、少し輝いてない?」


智明はドラゴンを見上げ、その胸元に小さな青い宝石のようなものが埋め込まれているのを発見する。


智明

「あれが弱点か?でも、どうやって狙えば……」


カルロスが口を挟む。


カルロス

「しゃっくりを連続させれば魔力が蓄積することはわかっている。それを最大限に引き出せれば、一撃であそこを狙えるかもしれない。」


智明

「いや、それ簡単に言うけど、めちゃくちゃ難しいんだぞ!」


ルミナ

「でも、やるしかないでしょ!」


智明は深呼吸し、しゃっくりをコントロールする練習を思い出す。



ドラゴンが再び火のブレスを放とうとする中、智明は全神経を集中させる。


智明

「ヒック!……ヒック!……ヒック!」


しゃっくりが連続し、智明の周囲に複数の属性が交じり合ったエネルギーが集まり始める。炎、水、風、氷の魔法が融合し、巨大な魔力の玉が形成されていく。


智明

「これが……しゃっくりの極意だ!」


一方、ドラゴンはブレスを放ち、智明に向けて迫る。


ルミナ

「トモさん!今よ!」


智明は全力で魔力の玉をドラゴンの胸に向けて投げる。


智明

「くらえぇぇぇぇぇ!しゃっくりフィニッシュ!」


魔力の玉がドラゴンの胸に直撃し、青い宝石が砕ける。ドラゴンは咆哮を上げながら崩れ落ち、黒いローブの男も地面に倒れる。



ドラゴンが消え去り、学校に静寂が戻る。智明は膝をつき、肩で息をしている。


智明

「……勝ったのか?」


ルミナ

「トモさん、すごかったわ!あんなの、誰にも真似できない!」


カルロス

「まさに“未知の魔法”の真価を見たよ。これで学校は救われた。」


しかし、黒いローブの男が最後の力で言葉を発する。


黒いローブの男

「くっ……これで終わりだと思うな……次は……」


彼の言葉が途切れ、意識を失う。カルロスは男を見下ろしながら言う。


カルロス

「どうやら背後にもっと大きな存在がいるようだな。」



エピローグ

その夜、智明は学校の屋上で空を見上げていた。


智明

「俺のしゃっくり、ここまでやれるとは思わなかった。でも、これが限界じゃないよな。」


ルミナが隣に座り、微笑む。


ルミナ

「そうね。まだまだ伸びしろがあるわよ、トモさん。」


智明

「……もっと強くなる。次に来る敵には、もっとスマートに勝ってやる!」


智明の新たな冒険はまだ始まったばかりだった――。



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