7話 魔法学校の日常と迫る危機
智明は魔法学校での生活を始めることになった。カルロスの紹介で、特別生として授業に参加する。
智明
「なんで俺が学生みたいに授業受けなきゃいけないんだよ……しゃっくり練習だけでいいだろ。」
ルミナ
「基本ができていないと応用も効かないのよ!さ、真面目に聞いて!」
初めての授業は「魔法の基礎理論」。黒板には難解な数式と図がびっしり書かれている。
教師
「さて、今日は魔力の流れと属性変換の基礎について説明する……」
智明は半分寝かけながらも、なんとか授業を聞く。しかし、隣でルミナは真剣にノートを取っている。
智明
(こんな難しいこと、俺には関係ないだろ……しゃっくりさえ出せればいいんだよ。)
しかし授業中、教師が智明に目を向ける。
教師
「では、特別生の智明君、君の“しゃっくり魔法”はどうやって属性を変えているか説明してくれるかな?」
智明は慌てて答える。
智明
「えっと……気合い?」
クラス全員が爆笑する。
教師
「……まあ、それはそれで興味深い仮説だ。」
午後の授業は実技試験。広場で各生徒が自分の魔法を披露する時間だ。
教師
「さて、次は智明君。君のしゃっくり魔法を見せてくれ。」
智明は人前で披露するのが少し恥ずかしいが、仕方なく立ち上がる。
智明
「ヒック!」
まずは小さな炎の玉が飛び出す。続いてしゃっくりを繰り返し、水の流れや風の刃が次々と現れる。生徒たちは驚きの声を上げる。
生徒1
「すごい!しゃっくりだけでこんなにいろんな属性が使えるなんて!」
生徒2
「でも、コントロールが難しそうだな。」
智明は調子に乗り始めるが、最後のしゃっくりで突如巨大な氷の塊が出現し、教師の机を破壊する。
教師
「こ、これが“コントロールの難しさ”というやつだな……」
その日の夜、ルミナは智明の練習を手伝うことにした。
ルミナ
「トモさん、少しずつだけど、しゃっくり魔法が安定してきた気がするわね。」
智明
「まぁな。でも、あのローブの奴みたいな強敵相手に勝つ自信はまだねぇな。」
ルミナは静かに微笑み、智明の肩を叩く。
ルミナ
「それでも、前よりずっと頼もしくなったと思うよ。だから、自信を持って!」
智明は少し照れくさそうに笑う。
智明
「お前のそのポジティブさにはいつも助けられるよ。ありがとな。」
そのやりとりの後、智明は少しずつ自分の魔法と向き合う決意を固める。
一方その頃、黒いローブの男は森の中で巨大な魔法陣を描き終えていた。
黒いローブの男
「さぁ、目覚めるがいい、我が忠実なる召喚獣よ!」
魔法陣から現れたのは、巨大なドラゴンのような姿をした召喚獣。全身が黒い炎で包まれ、不気味なオーラを放っている。
召喚獣
「……我が主、何を望む。」
黒いローブの男
「カレンベルク魔法学校を滅ぼし、その力を我がものとするのだ。」
翌日、学校の授業が進む中、遠くの森から地響きのような音が聞こえ始める。
ルミナ
「この音、何かおかしいわ。」
智明とルミナが校庭に出ると、森の方から黒いドラゴンのような影が迫ってくるのが見える。
智明
「あれって……ヤバい奴だろ!」
教師たちが慌てて防衛魔法を展開するが、黒いローブの男が姿を現し、ドラゴンと共に進軍を始める。
黒いローブの男
「お前たちの学校も、異世界の力も、全て我がものとする!」
エピローグ
智明は震えながらも拳を握る。
智明
「しゃっくり魔法なんて頼りないけど……やるしかねぇな!」