5話 魔法学校の秘密とカルロスの提案
町の広場での火事が収まり、智明とルミナはカルロスの誘いを受け、カレンベルクのとあるカフェに向かう。カルロスは注文したハーブティーを片手に、2人を観察するような目で見つめていた。
カルロス
「君たち、本当に面白いね。特に君だ、智明くん。その“しゃっくり魔法”、どうやって習得したんだい?」
智明は少し居心地悪そうに答える。
智明
「いや、特に習ったわけじゃない。異世界に飛ばされたら、気づいたらこんな能力が身についてたんだよ。」
カルロスは驚きもせず、メモを取りながら頷く。
カルロス
「なるほど。つまりこれは、いわゆる“異世界転生魔法”の一種というわけか……」
ルミナ
「そんな名前、初めて聞いたけど?」
カルロス
「君たちにはまだ伝わっていないだけで、この世界では“異世界から来た人”の能力が注目されているんだ。君のしゃっくり魔法も、ある意味貴重な研究対象だ。」
智明は嫌な予感を覚え、カップを置く。
智明
「つまり俺を研究したいってことか?」
カルロス
「はは、そんな露骨なことはしないさ。ただ、君の魔法にはまだ眠っている可能性がある。それを引き出す手助けがしたいだけだ。」
カルロスは微笑みながら言うが、その笑みには何か含みがあった。
翌日、カルロスの案内で智明とルミナはカレンベルク魔法学校に向かう。そこは荘厳な城のような建物で、数多くの生徒たちが行き交っていた。
ルミナ
「わあ……本当にここが魔法学校なのね!すごい、図書館があんなに大きい!」
カルロスは案内しながら話を続ける。
カルロス
「この学校では、火、風、水、土の基本四属性の他にも、治癒魔法や召喚術など、多岐にわたる魔法を学べる。そして君のしゃっくり魔法は……属性不明だ。」
智明
「おいおい、属性不明ってそんな適当な分類でいいのか?」
カルロス
「正確には、まだ解明されていない能力という意味だ。この学校の研究室で分析すれば、もしかしたらもっと強力な魔法に進化するかもしれない。」
カルロスの提案に、ルミナは興味津々だが、智明は渋い顔をする。
智明
「なんか、俺が実験台みたいで嫌なんだが。」
カルロスは研究室で簡単な魔法試験を提案する。試験用の魔力測定器が部屋の中央に置かれ、智明にそれを使うよう促す。
カルロス
「試しに、いつものしゃっくりをここでやってみてくれないか?」
智明は面倒くさそうに頷き、測定器に向かう。
智明
「ヒック!」
炎の玉が小さく出て、測定器の針が微妙に動く。
カルロス
「うーん、なるほど……最初は弱い。でも待ってくれ、しゃっくりが続けばもっと……」
智明
「ヒック!ヒック!ヒック!」
次々としゃっくりを繰り返すと、炎が徐々に大きくなり、ついには測定器が耐えられずに爆発する。
カルロス
「素晴らしい!しゃっくりが連続することで魔力が蓄積し、威力が増していく。これは大発見だ!」
智明は爆発の煙の中で呆れた顔をする。
智明
「いや、大発見じゃなくて、大迷惑だろ……」
その夜、学校の一角で黒いローブの男が現れる。彼は盗賊団を操っていた謎の男、そして何か目的があるようだ。
黒いローブの男
「“しゃっくり魔法”……この力を使えば、計画を大きく進められる。奴らが気づく前に仕掛けるとしよう。」
闇の中で、男は不気味に笑いながら学校の外壁を登り始める。
エピローグ
翌日、カルロスは智明に提案する。
カルロス
「智明くん、君のしゃっくり魔法をもっと鍛えてみないか?私が君の専属の研究員として手伝う。」
智明は考え込む。
智明
「……俺のしゃっくりがどこまで役に立つのか、自分でもまだわからない。だけど……」
一方で、ルミナは図書館である文献を見つける。そこには「異世界の能力者は、いずれこの世界を変える存在となる」と書かれていた――。