14話 封印の鍵と裏切りの影
智明たちは霧の民の長老から教えられた道を進み、迷宮の奥深くへと足を踏み入れる。周囲はますます不気味な静寂に包まれ、冷たい霧が体にまとわりついてくる。
ルミナ
「この霧、さっきのとは違う……まるで生きているみたい。」
カルロス
「魔力の濃度が高すぎる。この先に確実に何かがある。」
智明は肩をすくめながらつぶやく。
智明
「なんか嫌な予感しかしないんだけど……しゃっくりが暴発しないことを祈るしかないな。」
やがて、霧の中から古びた祭壇が現れる。その中央には不気味に輝く「封印の鍵」が浮かんでいた。それは青と赤の光を放つ宝石のような形をしており、周囲に奇妙な魔法陣が描かれている。
ルミナ
「これが封印の鍵……ものすごい魔力を感じるわ。」
カルロス
「慎重に触れるんだ。魔法陣が反応して罠が発動するかもしれない。」
智明はしゃっくりをこらえながら祭壇に近づく。
智明
「俺がやるしかないのかよ……触った瞬間に爆発とか勘弁してくれよ?」
彼が封印の鍵に手を伸ばしたその瞬間――
突如、カルロスが杖を構え、魔力の波動を放つ。それが智明の足元を吹き飛ばし、彼を転ばせる。
智明
「おい、何のつもりだ!?」
カルロスは冷たい目で智明たちを見下ろす。
カルロス
「残念だが、この封印の鍵は私が頂く。“主”に逆らう者たちにはふさわしくない力だからな。」
ルミナ
「嘘でしょ……カルロス、あなたが‘主’の手先だったの!?」
カルロスは苦笑しながら答える。
カルロス
「違うよ。私は‘主’を恐れているだけだ。この力に逆らえば、世界は滅ぼされる。それなら‘主’に従った方が理にかなっている。」
智明
「ふざけるな!それで俺たちを裏切るのか!?」
カルロスは封印の鍵を手に取り、魔法陣を起動させる。その瞬間、迷宮全体が激しく揺れ始める。
祭壇の魔法陣が光を放ち、巨大な石像が動き始める。それは迷宮を守る守護者で、カルロスの行動に反応して暴走していた。
ルミナ
「どうしてこんなことに……!トモさん、逃げるわけにはいかないわ!」
智明
「当たり前だろ!このでかいの、しゃっくりでどうにかなるか試すしかねぇ!」
智明はしゃっくり魔法を使い、石像に攻撃を仕掛けるが、硬い体にはほとんどダメージが通らない。
智明
「ヒック!くそっ、これじゃ時間稼ぎしかできねぇ!」
ルミナは火の魔法を放つが、それも石像の魔法障壁に阻まれる。
絶望的な状況の中、智明は封印の鍵に目を向ける。
智明
「もしこの鍵が石像を制御してるなら……これを狙うしかない!」
ルミナが驚きながら叫ぶ。
ルミナ
「でも、そんなことしたら魔法陣が暴走するかもしれないわよ!」
智明
「そんなの関係ねぇ!このままじゃ全滅だ!」
智明はしゃっくり魔法の全力を封印の鍵に向けて放つ。
智明
「ヒック!これで終わりだぁぁぁぁ!」
しゃっくりの力が鍵を直撃し、鍵が砕け散る。それと同時に、石像は動きを止め、祭壇の魔法陣も消滅する。
封印の鍵を失ったカルロスは憎々しげに智明を睨む。
カルロス
「……君たちのせいで、‘主’はますます苛立つだろうな。」
彼は瞬間移動の魔法で姿を消し、その場から逃げ去る。
ルミナ
「逃げられた……でも、あの人が裏切るなんて。」
智明
「くそっ、俺たちの仲間だったのに……!」
エピローグ
迷宮を抜け出した智明たちは、霧の民の長老に別れを告げる。
智明
「“主”の計画を止めるには、もっと力が必要だ。しゃっくりなんて頼りないけど……俺にできることは全部やる。」
ルミナ
「私も最後までついていくわ。一緒に戦いましょう。」
“主”の陰謀がいよいよ表面化する中、智明たちは次の目的地へと進む決意を固めるのだった――。




