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Lunatic tears _REBELLION  作者: AYA
act1 Sunlight Girl Moonlight Boy
34/57

3-7 Aerial Wizard

 ネイビーのスーツを着た男。……また、あの連中か……?

 アンバーとライトブルーのオッドアイが、如何わしい男を捉える。

「……何が目的だ……?」

と問うた流雫への返答は無い。手には、大口径の銃。

 ……最初から自分を狙っていた、とは思い難い。展望台の爆発も全て、単なるとばっちり。しかし、遭遇した以上何事も無く逃げられる……ワケが無い。

 男は何も言わず近付いてくる。答える理由が無いのか、それか……。

「くっ!!」

流雫はバッグから銃を取り出す。その瞬間、銃口が少年に向き、銃声が反響した。

 ……トップデッキ。1周30メートル、障害物は通路と展望区画を分ける鉄骨ぐらいか。その隙間を上手く使って、撹乱するしか方法は無い。ただ、非常ドアで待ち伏せされては、どうしようもない。

「……何が目的だ?」

咄嗟に避けた流雫は、今度は英語で問う。しかし、男は無言のまま。ふと、流雫の脳を過る。

「こいつら、まさか……」

 ……答えないのは、答える必要が無いから……じゃない。日本語も英語も判らない、何と言っているのか判らないから、答えようが無いから。それだけでそう判断するのも、偏見なのだろうが……まさか。

「OFAが匿っていた……」

流雫は思わず、声に出した。避けたかった可能性。その間にも、男は再度流雫に銃口を向けた。

「っ!」

流雫は鉄骨を掴んで軸にし、床との隙間に身体を滑らせる。その瞬間、再度銃声が鳴り響く。

 薄氷ながらも回避できている。しかし、このまま弾切れ狙い……は避けたい。そもそも、弾切れするのか。

「……捨て駒の難民……」

思わず口を突いて出た言葉に、流雫は怒りを滲ませる。

 情が移っている……と言われれば否定しない。しかし、自分自身ノエル・ド・アンフェルを原因とした宗教難民に近い存在だから、難民の心情と云うものを少しは判っている……と思いたい。

 ……撃たなければ逃げられない。しかし、撃っても殺さない。動きだけ封じることができれば。流雫はタイルを蹴った。


 流雫との連絡は、アルスが担っている。その彼は、非常階段を駆け上がっている。

「流雫……」

と呟いた澪は、停電したロワーフロアに響く銃声の方向に目を向けながら、爆発の影響が残る通路を走る。6発だけの銃弾、1発外せば文字通り命取りになることさえ有る。

「澪!」

と声を上げた詩応も、しかし決め手を欠いていた。足は速い、しかし逆に云えば走ることしか能が無い。

 ……流雫と違い、前後左右しか動けないなら。ショートヘアの少女は、男に背を向ける。……敵に背を見せるのは御法度。男はすかさず銃口を向ける。その瞬間、詩応はスポーツシューズのグリップを使って一気に方向を変えた。

「!?」

逃げない……?その不可解な行動に一瞬だけ、男の動きが弱まる。自分に向かってきたからだ。

 180度ターンした詩応は、その流れに乗せて銃口を向ける。手が震える……だが、撃たなければ撃たれる。詩応は力任せに引き金を引いた。

 ……4発の銃声が響いた。1発は詩応の右腕を指2本分ずれて飛んだ。そして3発は……男の腹部に刺さった。スーツの上から、銃を持ったまま腹部を押さえて蹲る男、その懐に爪先を入れた詩応が狙ったのは、手の甲。

 果たして、鈍い音と共に

「ぐぅぅっ……!!」

と太い悲鳴が上がる。それと同時に銃が地面に転がる。詩応は更に銃を端まで蹴飛ばした。

「……狙いはアタシか!?」

と怒鳴り口調で問うた詩応に、しかし答えは返ってこない。ただその場で悶えるだけだ。……再び問う暇は無い。今は澪と合流しなければ。


 上から銃声が響く。

「詩応さん!?」

澪は思わず声を上げた。彼女の悲鳴も聞こえてこない。無事だと思いたい……しかし、それより目の前に自分の危機が迫っている。

「詩応さん!」

「下に行く!アタシは無事!」

息を切らしながら放たれた声、その裏で階段を駆け下りる音が聞こえる。一瞬だけ安堵に包まれた澪、そのダークブラウンの瞳が男を捉える……と同時に、足下で水が跳ねた。

 スプリンクラーの水が、タイルの上に乗っている。ローファーの靴底はグリップを失い、華奢な少女は滑る。……最大のチャンス、とばかりに男は銃口を向けようとする。

 ……滑りながら、澪は銃を一気に構える。尻からタイルに落ち

「あぁっ!!」

と声を上げた澪は、痛みに顔を歪めたまますぐに男を睨み付ける。シルバーの銃口は足に向いた。尻餅をついたことで、逆に体が固定される。

 逆に澪が滑ったことで照準が外れた男は、それに向け直さざるを得ない。その2秒が命取りだった。少女の、引き金に掛けた指が動いた。

 2発の小さな銃声に続けて

「澪!!」

と叫んだ詩応の視界に刑事の娘が入ったのは、男が倒れるのと同時だった。スーツの上から太腿を押さえ、悶絶している。

「詩応……さん……!」

と呼び返した澪は立ち上がる。互いに無事……そのことに安堵する。しかし、もう2人が気になる。

 「流雫は……!?」

そう呟いた澪に近寄った詩応は

「今は逃げよう!」

と言って、展望台と地上……を結ぶ階段のドアを開ける。しかし、エレベーターが動かない中で唯一の避難経路は、将棋倒しの影響が未だ残っている。

「くっ……!」

詩応は踵を返す。……逃げられない。

 澪はトップデッキへ行きたかった、しかしアルスが上がって行った。自分が行けば、逆に2人の邪魔になる……そう思うと、この場所で無事を願うしかない。

「……流雫……」

と呟いた澪の肩に、詩応の手が触れる。……あの日、新宿で泣いたアタシを抱いた澪を、今度はアタシが支えたかった。

「……生きてて……」

澪は呟いた。


 張り出した鉄骨を使い、チェイスタグ紛いの撹乱……それも限界が有る。自分が追い込まれている感覚に、流雫は陥り始めていた。

「どうすれば……」

流雫は呟く。目の前には、地面から天井に向かってV字に走る鉄骨。流雫はその片方に飛び乗り、追っ手に向かって跳んだ。

 何故向かってくる?男が不可解に思った瞬間、ガンメタリックの銃身が頬に入った。

「ぐぅっ……っ!!」

その視界が90度曲がる。その脇から背後に回った流雫は、非常ドアのノブに手を掛けた。

 小さな仕切り部屋、その奥のドアは風に押されて重いが、体重を掛けて開けた。

 ……非常階段。エレベーターに並行している。手摺の位置まで網目の柵は有るから、普通に歩くだけなら転落の危険は無い。しかし風が通ってきて、ネイビーのUVカットパーカーをはためかせる。

 此処を400段以上駆け下りるしか方法は無い。追ってくることは判っているが、それはどうにかするしかない。

 躊躇いを軽い溜め息に混ぜて捨てた流雫は、風対策でパーカーのジッパーを上げ、靴音を鳴らした。イヤフォンのマイク部分を口元に当てる。

「アルス!非常階段にいる!」

「俺もそっちに向かってる!」

アルスの言葉に、流雫は声を被せた。向かってきているとは知らなかった。

「戻って!銃を持ってる!」

「戻れるか!」

その言葉に、流雫はふと下を覗く。

 ……割と近くまで上がってきているのが、手摺を掴んでは離す手が見えていることで判る。しかし、上からも振動が響く。……戦えるのは自分だけ……と思った流雫の頬が僅かに濡れた。クリアな視界で、流雫は鉄骨の外に一瞬だけ目を向ける。

 吹き付ける風に乗った雨粒が、金属の階段に踊り始めた。トップデッキや上の段が屋根代わり、とは云え気休めにもならない。

 金属濡れれば、靴のグリップは完全に失われる。滑り止めのスリットが、ステップに刻まれているとしても、だ。……早く展望台まで……そう思った流雫の背後で火薬が爆ぜ、同時に鋭い音が鳴った。流雫を狙って強引に撃った弾は、背後の手摺に弾かれた。

 ……それでも、怯んでいる暇は無い。流雫は踵を返す。濡れ始めた手摺を力任せに掴み、身体を上に引き上げながら……膝に向けて銃身を振った。

 鈍い音がして、男が低い声を絞り出す。

「おっ……!!」

動きが鈍った。前のめりになる身体に飲まれないように、咄嗟に反対側の手摺に手を伸ばした流雫。寸分の差で崩れ落ちる身体を躱した。

 膝を押さえた男は、立ち上がりながら目障りな少年を睨む。しかし、ターゲットが怯む気配は無い。

 今の流雫は、何も怖れない。否、恐怖は感じているが、生きて澪の元に戻る……そのたった一つの決意には敵わない。オッドアイの眼差しが、そう語っていた。

 何だ、こいつ……。男がそう思った瞬間、下から足音が聞こえた。味方さえ来ればこっちのもの……あのガキなど容易い。

 ……だが、その読みは完全に外れた。振り向いて見えたのは、ブロンドヘアの少年。

「ルナ!!」

と大声が下から聞こえた。そこで男は、あの目障りなシルバーヘアの少年の名を知る。……ブロンドヘアを人質にすれば、ルナとやらも観念するだろう。

 男は痛みに抗いながらも、立ち上がりアルスに手を伸ばす。踵を返しながら

「ルナ!!」

と再び叫んだ少年の声に、流雫は

「アルス!」

と叫び返し、ステップを蹴った。

 ……アルスと男の差は10段も無い。少しのスリップだけでも捕まることになるだろう。……厄介な目に遭わせるワケにはいかない。

 ……澪にバレないように、アルスに何を奢って口止めしようか……。そう一瞬だけ思った流雫は、パーカーのジッパーを一気に下ろす。後はこの風に委ねるしかない。……渋谷での前科が有る、迷いも躊躇いも無かった。


 「アルス!ミオには秘密で!」

フランス人の耳に、イヤフォン越しにそう聞こえた。思わず階段の上に目を向けたアルスは、

「はぁっ!?」

と声を上げ、目を見開く。

 手摺を掴んだ手を軸に跳び上がり、足を斜めの手摺に乗せ、一度下の手摺に落とす……そして、重力と風に身を委ね、抛物線を描く流雫。……有り得ない。落ちれば死ぬような場所だぞ……!?

 空中で身体を軽く捻り、上り方向に身体を向けるシルバーヘアの少年。大きな音を立て、踊り場に両足で着地した……しかし雨で僅かに滑った。

 前への勢いを殺せず、柵へ……背中から当たった。咄嗟に身体を捻ったから、頭からぶつからなくて済んだ。

「ルナ!!」

アルスが叫ぶ。……無茶過ぎる、そう思った少年に流雫は

「離れて!!」

と叫び返した。尻を床に付け、背中を網目の柵に当てたまま、身体を固定する。

 アルスが階段のアウト側に寄った、その瞬間、男はチャンスとばかりに銃口を向けようとする。

 ……流雫に、撃つべき理由が生まれた瞬間だった。男は、先刻流雫に打たれた膝が痛むからか、少しだけ動きが遅く、それが明暗を分けた。

 「っ!!」

一気に引き金を引く少年の耳に、爆ぜる火薬と床に跳ねる薬莢の音が規則的に響く。

「ぐぉぁぁ……っ!!」

と悲鳴が上がる。スラックスに穴を開けた3発の銃弾は、全て太腿に刺さった。その痛みに耐えかねて手放した銃は金属の階段に跳ねて、アルスの足下へ転がる。

「触るな!アルスはダメだ!」

その言葉に怪訝な表情を浮かべるアルスは、しかし流雫に従った。

 咄嗟に立ち上がり

「行くよ!」

と言った流雫とアルスは、踊り場に向かって転がり始めた男を尻目に階段を駆け下りる。

 ……これ以上、この男と戦う理由は無い。護身のためとは云え、殺す必要は無い。動きを封じることができれば、そして逃げ切れれば十分だからだ。


 アルスはその前を下りながら、

「何故ダメなんだ!?」

と、苛立ち混じりに流雫に問い詰める。

 「……資格が無いとダメなんだ、触ることすら」

と、流雫は答えた。

 ……流雫が澪の銃を持ったりするのは、資格が有るから。自分の銃しか撃つことはできないが、他人の銃を触ることはできる。だから澪の銃を手に囮になることができる。

 しかし、資格が無ければ触った時点で犯罪となる。それが落とし物だとしても、警察が拾うまでその場に放置しなければならない。

 そして、外国人故に資格を持てないアルスが逮捕されないためにも、触らせるワケにはいかなかった。

「正当防衛のためでもか!?」

「……それが日本なんだ」

ヒートアップするアルスに、流雫はそう答えることしかできない。

 ……中途半端と云うか、無茶苦茶と云うか。強引に銃社会化しようとし、成立を急ぎ、その結果がこれだ。アルスはただ呆れるばかりだ。

 ウェットの階段を駆け下りる2人。流石に息が切れている。

「はぁっはぁっ……」

「ここまで、っ……はぁっ……」

足が少しばかり震えている。それは、恐怖心からではなかった。

「背中、痛むか?」

「いや……どうってことない……」

と、アルスの問いに答える流雫。柵が固いものの網目だったことが幸いした。

「心臓に悪い……」

その言葉に、流雫は微笑んだ。その裏に何を隠しているのか、フランス人は見なかったフリをした。そして、何も言わないことにした。ルナに従っていれば、何だかんだで無事に乗り切れる。

 ……ようやく、トップデッキまで辿り着いた。後は地上へ下りるだけ。しかし、エレベーターは使えないだろう。

 ……あと600段、今下りてきた非常階段より長い。だが、下りなければ助からない。

 流雫が非常ドアを開けようと、ノブに触れた瞬間……中から爆発音が響き、タワーが僅かに揺れた。

 「なっ!?」

「何だっ!?」

同時に声を上げる2人の耳に、再び非常ベルが聞こえた。……爆発、まさか。

「澪!伏見さん!」

流雫は慌ててノブを回した。


 階段の渋滞はどうにか解消されたらしい。それは特殊武装隊が展望台に上がってきたことで判った。

「無事か!?」

その声に澪は

「は、はいっ!!」

と返事する。それと同時に、2つのフロアで同時に爆発音が響いた。展望台を小さな揺れが襲う。

「きゃぁぁっ!!」

「くっ!!」

女子高生2人はその場にしゃがむ。非常ベルの音、降り掛かるスプリンクラーの水。

 「澪……!」

詩応は澪の隣で肩を抱き寄せる。

「詩応さん……!」

「流雫は無事だ……死ぬワケがない……」

ショートヘアの少女は言った。……不安だけど、信じるしかない。流雫は生きて、あたしに抱きしめられるべきだから。

「こっちだ!」

特殊武装隊の男が声を上げた。2人は立ち上がり、誘導されるまま地上への長い階段に出た。

 

 数十分ぶりの展望台は、しかし二度の爆発を受けて先刻までの賑わいを失ったどころか、廃墟のような感覚を2人に抱かせる。

 二度目の爆発で頑丈な窓ガラスが割れたか、風が舞っている。しかし、それが煙の充満を防ぎ、視界も悪くない。

 2人はロワーフロアへの階段を目指した。暗いステップを、スマートフォンのライト無しで、足音を極力立てないように下りる。もし敵が残っていても、自ら存在を示さなければ、不利にはならないハズだ。

 そのロワーフロアにも、風が吹いている。二度目の爆発で、窓だけでなく床のガラスも割れていた。

 このフロアだけ、150メートル下の地面を見ることができる、スカイウォーカーと呼ばれるスポットが一辺にのみ2箇所有る。そして、避難するにはその上を通らなければならない。

 其処に張られたガラス、普段は大人が飛び跳ねてもヒビすら入らないだけの強度を持っている。しかし、それが爆発で両方割れていた。

 転落防止用の金属網は張られている、しかし乳幼児の身体が引っ掛からないほど目が大きい。反対側に回ればスカイウォーカーは無いが、二度目の爆発の影響で窓が割れている上に瓦礫も転がり、流石に危険を感じる。

 通路の幅一杯に設定されているが、長さは2メートル……跳べない距離でもない。

「アルス、行くよ」

と言った流雫とアルスの間を、銃弾が飛んだ。

「っ!?」

流雫は、オッドアイの瞳を背後へ向ける。

 予想外の事態に備え、背後に見えるトイレに隠れていた1人の男。ネイビーのスーツで、太陽騎士団にカモフラージュしている。

「あのスーツ、シノが言ってた……」

とアルスは呟く。

 流雫と澪がトップデッキにいる間、アルスは詩応から日本の太陽騎士団のことや一連の事件のことについて、少しだけ話を聞いていた。その時、日本ではあのスーツが制服のようなものだと語っていた。……偽旗作戦……フランス人の怒りが沸騰する。

 「これが……日本の現実なんだ……」

と言った流雫は、あくまでも冷静を失わない。冷静さを欠けば、テロから逃げ切ることはできない。そのことを、誰よりよく知っている。

「アルス。……怒りは、後で僕が受け止める。今はただ……」

と、流雫は宥めることしかできない。……尤もだった。アルスの怒りも、流雫の言葉も。

 「……狙いは僕だ。僕が囮になる」

と言ったシルバーヘアの少年に、フランス人は問う。

「……お前は死なないよな?」

「……死なないよ、アルスも僕も」

と答えた流雫は、自分の右手首のブレスレットにキスをした。チャームはルビーの三日月……流雫のシンボル、裏に刻まれたのは澪の名前。……感じるのは、最愛の少女。僕だけの女神。

 「行くよ」

そう言った流雫は男を睨みながら、濡れたカーペットの床に靴音を立てた。


 600段もの階段は、しかし歩く分には意外ときつくない。地上……正確にはタワー真下、5階建ての建物の屋上まで辿り着いた澪と詩応を出迎えたのは、

「澪!」

と声を上げた父、常願だった。

 「また遭遇したのか!?」

その言葉を遮るように

「流雫が未だ上に……!」

と声を上げる。

 階段を下りている時、特殊武装隊の隊員数人とすれ違った。これで安心……と思いたかった澪は、その場に立ち止まる。

「ここにいたい。流雫を待っていたい」

と言った娘に、父は

「……いいだろう」

と言いながら、此処で上に戻ろうとしないだけ賢くなった、と思った。

 この動線から少し離れた場所なら、他の隊員の邪魔にはならない。そして、2人の女子高生の目を見据えて問うた。

「……で?何が起きた?」

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