38.早馬でGO
タマキに急かされながらギルドに戻ると入り口にはすでにマオとナタリアの姿があった。
「おっせーぞキョウスケ」
「お前が早いんだよ。準備とかしてればそれなりに時間かかるんだっての。簡単な仕事じゃないんだからな」
マオは待ち切れないといった様子でそわそわしていた。
「どんなに早く出発しても現地に着くのは数日後だぞ。今からそんなんだと疲れるぞ」
「わかってるよ!けど急がない理由はないだろう」
まぁそうなんだけどな。
「キョウスケ、マオから話は聞いたがここから徒歩で向かうにはちょっと時間が厳しいように思う」
「やっぱりそう思う?」
俺もそこは懸念していた。目撃情報が出てすぐとは言え向こうは目的地に向けて今も移動しているだろう。
俺たちが徒歩で向かっても追いつける可能性はあまり高くない。さらにはマオはともかくタマキはまだ小さい子供だし。
「なので早馬を借りてきた」
「マジかよ。よく借りられたな」
「冒険者時代のツテでちょっとな。ただ借りられたのは2頭だから2人で乗るしかない」
「じゃあキョウスケと俺、ナタリアとタマキで別れたらいいんじゃねぇか?」
「やだ!私もキョウスケ様と一緒に乗りたい!」
「今回はタマキの主張を採用だ。キョウスケとタマキ、マオと私だ」
俺の意見は誰も聞いてくれないのだろうか。
さくさくと話が進んでいるので特に口を挟まずにいたが俺の意見を聞いてくれる人がいてくれると嬉しかったなぁ。
まぁ聞かれてもどっちでもいいと言うと思うけど。
「なんでだよ!」
ちょっと顔を赤くしてマオが抗議していた。なるほど、ナタリアと一緒は恥ずかしいのか。
「単純に重量の問題だ。男女でわかれて乗った場合どうしても男側が重くなって馬への負担が大きくなってしまう。だから男女でわかれるのはなしだな」
「なんだよ、ナタリアだってキョウスケとそんなにかわらな…いってぇ!!」
「なにか言ったか?」
ニッコリといい笑顔でマオにげんこつを落としていた。
マオよ、女性に体重の話はいつどんな時でもタブーなんだぞ。あとナタリアは俺より絶対軽い。間違いなく。
スタイルはいいけど細身だしな。
「なんでもないです」
「よろしい。他に異議がなければもう出発しようと思うんだがいいだろうか」
「俺は構わない」
「私も!ありがとうナタリアさん!」
タマキは俺と馬に乗れるのが嬉しいのかにっこにこだった。かわいさよ。
「礼を言われるようなことじゃないんだけどな。どういたしましてだ」
朗らかに笑いながらタマキの頭を撫でるナタリアをマオはジト目で見ていた。
なんかしらフォローしておくか。
「おい、マオ。恥ずかしいのはわかるけど美人と相乗りできるこの機会を逃すのはもったいないぞ」
「何言ってんだよ!!そうゆうんじゃないっての!!」
思春期だなぁ。きれいな姉さんって緊張するよなわかるよ。
「おい、そうゆう口説きは本人に言うべきじゃないのか?」
「げ、聞こえてたのかよ」
「この距離で聞こえないのは耳に問題があると思うぞ」
そりゃそうか。声量は抑えたが特段離れてるわけではないしな。
やっぱり難聴系主人公ってありえないよな現実的に。
「むー…」
今度はタマキがむくれていた。
「どうしたタマキ、俺と一緒はやっぱり嫌か?」
「嫌じゃないむしろ嬉しい。けど…キョウスケ様はナタリアさんみたいな女の人がいいの?」
「んー?まぁ美人だなぁとは思うよ」
「ぬぅ…」
自分の体をペタペタと触りながら難しい顔をしていた。
「なにを思っているのかはなんとなくわかるけどタマキはこれから成長するんだから今気にしてもしかたないだろ。俺の好みとか関係なくタマキも美人さんになるだろうしな」
「キョウスケ様がそう言ってくれるなら…私早く大きくなりたい…」
ゆっくり成長してくれて構わんのだぞと少し父親みたいな感情になりながらタマキの頭を撫でてやった。
「出発前にしては空気が緩んでいるがそろそろ出発しよう。それとキョウスケ、今度は私に直接言ってくれると嬉しいんだがな?」
「機会がなけりゃ言わないっての」
「機会があれば言うんだな。よしいつか作ってやるからな」
言ってろ。
そこで無駄話はやめてそれぞれ馬に乗りダンジョンへ向けて出発したのだった。
PS5買えたおかげで悪魔狩りと稲作が捗っております。
おかげで小説の推敲がちょっと遅れ気味でした。
自分にあまあますぎるので気を引き締めて頑張ります




