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30.年上のお姉さん

「さて、キョウスケの奴隷といっても奴隷は奴隷だからな。今夜は奉仕すればいいか?」


「いらんわ!!」


いきなりなに言ってんだこの姉ちゃんは!!

いや別に興味がないわけじゃないんだ、俺は健全な男だから。けど奴隷だからってそんなことさせるわけがない。


「はっはっはっ、冗談だよ。ウブな反応するなお前は」


豪快に笑っているナタリアだがこちとら奴隷が増えたと思ったらいきなりそんなことを言われるので内心バクバクである。


「冗談でもいうなそんなこと。今回の隷属化もそうだがもっと自分を大切にしろ」


「お、おう、もうそんな歳でもないからそう言われるとちょっと反応に困るな」


なにが刺さったのかわからんがナタリアは照れていた。

そんな歳でもないとかいうけど俺より少し上くらいだろうが。この世界の結婚適齢を知らんからなんとも言えんけどそんなこと言うくらいだから若いんだろうな。

ここは異世界だけど俺は俺の倫理観とかを大事にしたい。


「キョウスケ様。ナタリアさんはなにを言ってるの?」


「タマキはまだ知らなくていいことだよー」


タマキは俺たちの会話の意味がわかっていなかった。素直にわからないことを聞いてくるのはいいがこういうことを聞いてくるのは困る。

マオは意味がわかっているのかそっぽ向いてうずくまっている。

想像したか思春期男子め。気持ちはわかるぞ、だれもが通る道だ。


「仲がよろしくていいことデスネ。2人の奴隷とも関係良好のようデスし」


ウェルズは俺たちのやりとりを茶を飲みながら観察していたようだ。少しくらい口出してもいいんじゃないかこの雇用主。


「ところでナタリア、部屋はどうしますか?一応奴隷はキョウスケサマと同じ部屋にしてマスが」


「私は別にどっちでも」


「別で頼む」


部屋がもう手狭なのもあるが年上のお姉さんがいる環境でゆっくりできるわけもない。

タマキと一緒に寝るのはもう慣れたからいいけど。歳の離れた妹としか思えんしな。


「なんだ私と一緒は嫌か」


「からかうのもいい加減にしろ」


ニヤニヤとした笑みを浮かべてるナタリアに突っ込む。まともに付き合うのもアホらしい。


「今のままでもいいデスけど、キョウスケサマの奴隷になるので給金とかは今まで通りとはいかないデスし部屋の使用料もとりマスよ?教育係の仕事をするときは払いマスケド」


まぁそうだよなぁ。今まではマオの教育係だったけどもう俺の所有物ってことになってるから給金が発生することはないだろうしなぁ。


「蓄えがあるから構わんよ。ギルドで依頼を受けて稼いでもいいしな。ご主人様がいいというなら単独でちょっと難しい依頼も受けられるしな」


ナタリアのやつわざとご主人様とかいう単語使いやがったな。倫理観は守りたいがちょっとお仕置きしたくなる俺は短気なんだろうか。


「なら今のままでいいでしょう。さて、ではキョウスケサマ、スキルの詳細を教えていただけマスか?」


「やっぱ気になるよな。わかったよ」


俺はウェルズに隷属化支援スキルの効果と思われる現象を話した。

スキル習得までの早さ。レベル上昇の早さ。そして奴隷が持っていたスキルが俺に還元されたこと。


「なるほど。ずいぶんと強いスキルデスね」


「やっぱそう思うか」


「当たり前デス。本来なら時間をかけて習得するものの時間を短縮できるだけでなくそのスキルが一部とはいえキョウスケサマに還元されるんデスよ?奴隷の育成が早くなるだけでなくキョウスケサマは奴隷を育てれば育てるほど強くなるということデス」


ウェルズが今言ったことは俺も考えた。俺がたくさんの奴隷を育てることができればその分多種多様なスキルを身につけることができる。

しかも俺自身がそのスキルの鍛錬をすることなくだ。奴隷も強くなるスピードが早くなるのだからより効率よく依頼を受けることができるだろう。

もしかしたら俺を見切った勇者より強くなれる可能性も出てきたということだ。


このことにパーティにいる間に気づけていればなにか変わっただろうかと考えたこともあった。スキルが使えないから気づきようもないんだけど。

けどパーティから追い出されなければこいつらと出会うこともなかった。奴隷使いなのはいまだに納得できないが俺はこいつらと出会えたことを後悔していない。少なくとも今は。


「ただ問題もありマス」


「問題?」


「まぁ問題はキョウスケサマの方デスネ。キョウスケサマは奴隷のスキルを還元により取得できる。しかしそれは他の人間がスキルを取得するまでの基礎課程を飛ばして習得するということデス。つまりその還元されたスキルを使いこなすには結局それなりの修練が必要になるのではないかということデス」


なるほど。確かにそうか。俺は今まで槍なんて使ったことがないから振り方すら知らないし、光属性の扱いなんぞも知らない。


「それもそうか」


「まぁスキルを持っているとそれなりにスキルの補助効果が働くので使えないことはないデスが自分のものにするならちゃんと修練しないとダメデスネ」


だよなぁ。俺その辺の才能は多分ないから苦労しそうだ。

ちなみに俺がスキル還元されるタイミングはまだ話していない。レベルアップ時しか還元されないのかはいまだによくわかっていないし。


「とりあえずそんなところデスかね。お話してくれてありがとうございまシタ。まだ話していないことも気が向いたら教えてくださいネ?」


バレてる。なんなんだよこの人本当怖い。


「なんのことだか。わかったことがあれば報告するよ。話も終わったから俺たちはもう行くぞ。あ、それとお前ら、今日ギルドにいい依頼はでてなかったから明日は休みにするからな」


さっさとこの部屋を出たかったので早口に言い終えると俺はウェルズの部屋を後にした。

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