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変わってしまった香川県  作者: はいいろ
フィクションだよ!
4/4

2040年(最終話)

2040年

そして現在である。強制力を持った条例は、さらにゲーム依存症やギャンブル依存症患者を増やし、世間からは香川シンドロームと蔑称がつけられた。

生活保護受給者率は全国一位となり、依存症治療の保険料は県の財政を圧迫していた。


不運もあった。

かつての書類作成はパソコンで主に行っていたが、現在は記憶転移デバイスが主流になっている。これは頭の中で想像した文章や画像が瞬時にデバイスに転送されるものだが、成長期にゲーム等で鍛えることがデバイスの円滑操作に繋がった。

運良く青少年が健全に育成しても、社会では役に立たない。皮肉なものだ。


就職差別も生まれた。記憶転移デバイスが上手く操作できない。就職後にトレーニングしようとしてもゲーム依存症やギャンブル依存症が原因で高い離職率となるので、多くの企業が香川県民を採用しないそうだ。香川県民である。ただそれだけなのに。


この20年で多くの香川県民が香川県を脱出した。人口が三分の一まで減ったこの脱出劇は世間から注目が集まり、「脱香者」という単語はかなり有名になった。


ここまで来ても県議会は条例を廃止しない。出来ないといった方が正しいかもしれない。

条例に反対していた人々は既に香川県を離れているのだ。残っているのはゲームが嫌いかあるいは興味がない多数派の人々と、私のように香川県に愛着があり離れられない少数派の人々であり、今後も条例が廃止されることはだろう。



私の好きだった香川県は変わってしまい、悲しいことに元には戻らない。だから私は、唯一変わらなかったうどんを食べ、今日も香川県で生きるのである。

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