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2030年
2030年
この年、香川県議会はある問題に直面していた。県内のゲーム依存症やギャンブル依存症患者が急増していたのである。
県議会では対策本部が作られて専門家が集められた。一部の専門家は「ゲーム規制の抑圧から解放された18歳が、ゲームやギャンブルにのめり込むことが原因。」と述べていた。
思えば、この時に条例を廃止していれば、かつての香川県に戻れたのかもしれない。
しかし県議会の出した結論は違った。「条例は罰則規定がなく、多くの家庭で条例が守られていないことが原因だ。正しくゲームの時間を規制すれば青少年は健全に育成する。」との考えの下、条例には
強制力
違反者への罰金
18歳未満のスマートフォン等の所持情報の登録義務
が追加された。
ギャンブル依存症増加により納税額の増えたパチンコ業界が、県議会を動かしたと噂が出回ったが真相はわからない。
そしてまた10年が過ぎた。