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北の陣 最終幕  作者: m
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シキとセナ


「そこの女!その銃を捨てろ!」


セナとロウ達を取り囲む敵兵の1人がそう叫び声をあげた。


セナは冷や汗をたらし馬上のロウを一瞬見た。


その視線に気づいたロウはセナと話しをする為に馬から降りた。


「セナ……… どうする?」


ロウは敵兵達に聞こえないように小声でそう聞いた。


「こんなに兵隊がいたんじゃどうにもならないよ」


セナは冷や汗を流しながらそう答えた。


「だよね……… 」


ロウも冷や汗を流しながらそう言った。


と、その時だった。


「スキューッン」


変わった銃声が一発鳴り響き銃を握るセナの右手を撃ち抜いた。


「ぎゃ!」


セナはそう声を発し右手を左手でおさえた。


その銃を撃った男が歌を歌いながらセナとロウに近寄って来た。


「1つおいらが歩く時〜♪」


「2つ、みんなが叫び出す〜 ♪ 」


「3つ、なんで〜叫ぶの?と〜 ♪ 」


「4つ、質問してみれば〜 ♪ 」


「5つ、天からすぐ止む雨が降り落ちる〜♪ 」


その男は見慣れない銃を片手に不気味な笑みを浮かべ2人の元にやって来て止まった。


「これはこれは北月師団の大幹部、セナ殿じゃないですか、お目当ての人物にまさかこんなところで会うなんて思ってもいませんでしたよ」


その男は不気味な笑みを浮かべたままそう言った。


?!


「し、シキさん?」


セナはその男の顔を見ると驚いた様子でそう言った。


「な、何故貴方がここに?」


セナは右手をおさえ苦痛の表情を浮かべながらそう聞いた。


「愛しい君に会いに来たんだよ、君をさらいにね」


シキはそう言うとセナの肩を掴み無理やり自身のところに抱き寄せた。


「なっ、何をしてるんだ!セナを放せ!」


ソレを見たロウが慌ててそう叫びシキに襲いかかった、だがシキはセナを放しロウの攻撃を軽やかにかわした。


「ドン、ガン、バスッ」


「グッ」


シキはロウに蹴りとパンチを何発か喰らわせた。


「シキさん止めて!」


その様子を見ていたセナがそう叫んだ。


シキはロウの胸ぐらを掴みロウを持ち上げていたがそのセナの叫び声を聞いてロウを放した。


「なんだお前は?いきなり襲いかかって来やがって」


シキはしゃがみ込むロウに向かってそう吐き捨てた。


「おっ、お前こそ何者だ!」


ロウは顔から血を流しながらシキを見上げてそう聞いた。


「お前の様な虫けらに名乗る名などない」


シキはそう言うと銃口をしゃがみ込むロウに向けた。


「止めて!」


セナはそう言うと銃を構えるシキの前に立ち塞がった。


?!


「セナ殿、何故私の前に立ち塞がる?」


シキは怪訝そうにそう聞いた。


「シキさん、この人は撃たないで!この人は北軍とは何も関係ない人だから……… 撃つなら私を撃って!」


セナは右手から血を流しながらそう叫んだ。


「 ……… 」


「なら、いいだろう……… その代りセナ殿が私と一緒に大人しく都についてくるならその男の命は助けよう、セナ殿、それでどうだ?」


シキは少し考えた後、セナにそう言った。


セナはロウの方に一瞬振り向きロウと目を合わせた後、シキに向かって静かに頷いた。


「せ、セナ……… 」


ロウはセナに向かってそう言った。


「ロウ……… ここはこうするしか他にないみたいだから……… ごめんね」


セナはロウに横顔を見せそう言った。


?!


「このガキがロウだと?!」


ロウと言う言葉を聞いたとたんシキは驚いた様子でロウを見ながらそう言ったのだった。











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