キスニーの町と奇襲
「セナー、大変だー!」
湖でロウとセナがいちゃついていたところに1人の兵士が馬に乗って来てそう叫んだ。
「何?どうしたの?そんなに慌てて」
セナは兵士の方に振り返りそう聞いた。
「キスニーの町が奇襲されたんだ!早く来てくれ!」
兵士は額に汗を流しながらそう叫び声をあげた。
?!
「えっ?!奇襲?!」
セナは驚きながらそう言った。
「そうだ!早く来てくれ!」
兵士はそう言うと馬を回転させ来た道を引き返した。
この湖から馬で10分程走ればキスニーの町がある、その間は森があり1本だけくねくねとした道が通ってある。
セナに奇襲の事を報せた兵士はその道を全速力で走って行った。
「ロウ、ロウはここから早く逃げて」
セナはそう言うと馬に乗った。
「嫌だよ、セナと一緒にキスニーの町に行くよ」
ロウはそう言うとセナの後ろに座った。
「死ぬかも知れないんだよ?いいの?」
セナは手綱を引っ張り馬を回転させそう言った。
「死ぬ覚悟は出来てるって前にも言ったでしょ!」
ロウはセナの腰に手をやりそう言った。
「そっか………」
「振り落とされないでね!」
セナはそう言うと馬を急発進させ全速力で森を疾走したのだった。
セナが馬を走らせ5分程疾走したところだった、森の道先で先程報告に来た兵士が数十名の敵兵相手に剣を交えていた。
セナはソレに気づくと素早く懐から銃を取り出し敵兵に向け馬に乗ったまま銃を乱射した。
「パン、パン、パーン」
銃声は森に響き渡り急所を撃たれた敵兵は次々と倒れ辺は騒然とした。
?!
敵兵は驚いたがすぐにセナとロウの方に気づき走って来た。
それを見たセナは馬から飛び降り銃を構えた。
「パン、パン、パーン」
セナはまるで機械のように正確に敵兵の急所を撃ち抜いた。
「ロウ!やっぱり逃げて!」
セナは銃を構えたままロウにそう叫んだ。
「せ、セナをおいてなんて逃げれないよ!」
ロウは馬の手綱をもちながらそう叫んだ。
その時だった、森に隠れていた敵兵がワラワラと出て来てセナとロウの後ろも前も完全に塞がれてしまった。
この森でキスニーの町へ向け第2の奇襲に備えていた敵兵が銃声によって集まって来てしまったのだった。
1本道しかない森の道を数百名の敵兵に完全に囲まれロウとセナは森の熊さんに出会うよりピンチに陥ってしまったのだった。
「このナレーション、ギールさんがやってるな……… 」
「ロウ!ふざけないで!」
「ガチャ」




