第2支部マスター
「アントレイヤ君、何故君が此処にいるのかね?」
バーキルが護衛と2人で歩いていた所に突然姿を表したアントレイヤにそう聞いた。
「貴方が此処にいる事はだいたい検討がついていましたよ………多分ここから鷹の十二騎士団に命令を下してるんじゃないかとね」
アントレイヤは剣を片手にそう答えた。
「ほう、君は私が誰だか知っているようだね?」
バーキルは微笑しそう言った。
「貴方がいくら正体を隠そうとしても限界がありますからね、それにウチの諜報部隊は優秀なんでね」
アントレイヤはバーキルがおかしな動きをしないか注意深く警戒しながらそう言った。
「フッフッフッ、そうか………………なら私がこの教会に普段から通っている事も君達には筒抜けだったとゆう訳かフッフッフッフッフッフッ私とした事が油断していたよアントレイヤ君」
バーキルは何故か楽しそうに笑顔でそう言った。
「筒抜けついでに悪いが、外にいた護衛兵達は全て始末させて貰いましたよ、残りは貴方とそこの護衛兵だけだ」
バーキルの笑顔を不気味に感じながらアントレイヤはそう言った。
「外にいた護衛兵?フッフッフッフッ、アイツらは護衛兵なんかじゃない、アイツらはただ私の命令を鷹の十二騎士団に伝達するだけの兵士達だよ、私の護衛はこいつだけで十分なんでね」
バーキルは隣りにいた護衛兵の肩を掴みそう言った。
「ども、ミールです、貴方の噂はよく聞いてましたよ、出来ればこんな形で貴方には会いたくはなかったのですが………………」
肩を掴まれたミールがアントレイヤにそう挨拶をした。
「ミール…………………第2支部の………………」
アントレイヤは名前を聞いて驚いた様子でそう言った。
「さすがだなアントレイヤ君、名前を聞いただけでこいつが誰だか分かるなんて、そう、こいつが第2支部のマスター、ミールだ」
バーキルは微笑しながらそう言った。
「第2支部の指揮を放ったらかして護衛とは………………じゃあ、その刀が例の………………」
アントレイヤはそう言いミールの腰にさしてあった刀を見た。
「あ、あぁ、コレですか、そうですよ、コレが王家七刀の一つ、月無です、この刀を一振りすれば月をも恐れをなして逃げ出すと言われてる例の」
ミールは自慢げに刀の鞘を掴みながらそう言った。
「知ってるよ、まさか実物を見れるとは思っても見なかったがな………………」
アントレイヤはちょっと羨ましそうにその刀を見ながらそう言った。
「アントレイヤさん、何故貴方は我々を裏切ったのですか?貴方は中央地区の救世主とまで言われていたお人ですよ?もう一度考え直しては貰えませんか?正直、私は貴方を斬りたくはありません」
ミールはアントレイヤを見ながらそう言った。
「………………いろいろ言いたい事はあるが………………やり合う前にその言い方………………まるでやり合えば自分が勝つかのような言い方だな………………」
アントレイヤは剣を構えそう言った。
するとアントレイヤの後ろにいたルドルがアントレイヤに近寄り、
「ここはギールさん達を待った方がいいんじゃないですか?」
とルドルが耳打ちをした。
「バカ!こんな状態で待てる訳ないだろ!」
と、アントレイヤはバーキル達に聞こえないようにルドルにそう言った。
「いや、なんか私、嫌な予感がするんですよ………………危険察知能力ってゆうんですか?こうゆう感だけは私凄いんで…………………ここはギールさん達を待った方が………………」
ルドルは顔を恐ばらせながらそう言ったのだった。