代物
「………そうか、俺たちはまんまと嵌められたとゆう訳か………」
血だらけの男はそう言いルカを睨みつけた。
「フフッ、そんな怖い顔するなよ、戦に計略はつきものだろ?騙された方が悪いのさ」
ルカは微笑しながらそう言うと剣を構えたまま後ろに下がり室内の奥に飾る様に置いてあった刀を持ち出し今まで持っていた剣をソファに向かって投げた。
「そいつが王家七刀とゆうやつか?」
血だらけの男は物珍しそうに刀を見てそう言った。
「フッ、そうだ、お前みたいな手練が相手ならこいつが喜ぶんじゃないかと思ってな、こっちに変えるよ」
ルカはそう言うと刀を鞘から抜いた。
「こいつが喜ぶか……… フッ、その刀がまるで生きているような言い方だな」
血だらけの男が微笑しそう言った。
「………フッ、お前達みたいな奴らにはわからないだろうがこの刀は生きているんだよ、神と呼ばれる人間が作った作品にはみな魂が宿っている、凡人には一生かかっても作る事が出来ない代物だ」
ルカはそう言い刀を撫でた。
「………気色悪い奴だな、お前は刀に取り憑かれたただの阿保じゃないか」
血だらけの男はそう言い剣を構えた。
「フッ、これだから目の開かぬ者と話すのは嫌なんだ、この世の森羅万象を何も分かってない」
ルカはそう言うと刀を構えた、その表情はさっきまでとは顔つきが明らかに変っていた。
「その顔、まさに取り憑かれた者の顔だな」
血だらけの男は背筋に冷たいものを感じた。
「一瞬であの世に送ってやる、最後にお前の名だけは聞いておこう、お前の名は何と言う?」
ルカは血だらけの男の目をしっかりと見ながらそう聞いた。
「………俺の名はキューイだ」
キューイはそう答えたのだった。