景色
「今回の任務はそのセナって女の救出が最優先なんだろ?なら……… 選択は1つしかないだろ?」
マールはそう言ったのだった。
?!
「選択は1つしかない?」
キーナがそう聞いた。
「あぁ……… 俺たちが道を作ってやるよフギまでの道をな………」
マールは腕を組んだままそう答えた。
「道を作るだって?!それは一体どうゆう事だ?」
キーナは怪訝そうな表情を浮かべそう聞いた。
「要はこのショジールの町を突破すれば奴らより早くフギの町まで行けるんだろ?わざわざ町を落とす必要はない訳だ、なら俺たち6師団がショジールの町に突っ込んで道を作ってやるって言ってんだよ」
マールはキーナを見ながらそう言った。
?!
「なるほど……… その手があったか……… 」
キーナは少し頷きながらそう言った。
「分かったみたいだな、じゃあ、ソノ手で行こうぜ」
マールは半分笑いながらそう言ったのだった。
こうして作戦が決まると北月師団と6師団の兵士達は真っ暗な森をショジールの町に向け馬に乗って疾走したのであった。
ーーー
マール率いる6師団はショジールの町につくなり町の状況も把握せずに中央突破を決行した。
マール達の作戦は成功だった、ショジールの町には兵隊が少ない上にこの町を守る師団の幹部達は皆アントレイヤの元に行っていた為殆ど抵抗を受けずにショジールの町を通過する事が出来たのだった。
先頭をきった6師団もわざわざこの町を落とさず北月師団を先に通過させた後、北月師団の後を追って行ったのだった。
そしてロウ達はついにフギの町が見える場所へとやって来たのだった。
「ロウ、あの町がフギの町だ、俺の読みが正しければセナはあの町に連れられて来る筈だ」
キューイは馬に乗ったまま隣にいるロウにそう言った。
ロウはキューイにそう言われ、丘の上から町の景色を見た。
(あれっ?フギの町なんて一度も来たことなんてないのに……… この景色、何処かで見たような……… )
ロウはそう思った。
「どうかしたのか?」
返事をせずにぼ〜っと町を眺めるロウを不審に思いキューイがそう聞いた。
「いっ、いやっ、なんでもないです」
ロウは我に戻り慌ててそう答えた。
「そうか……… ここまで休憩なしで来たから疲れが出てるのかもな……… 少しこの辺りで休憩でも取るか、キーナ休憩だ、皆にそう言ってくれ」
キューイは馬を降りそう言ったのだった。
休憩中のキューイ達の所にマールとプーリがやって来た。
「お疲れさん、やっと着いたな」
マールがキューイにそう言った。
「あぁ、あんた達のお陰で予定よりも大分早く着けたよ、ありがとう」
キューイは倒れ木に座りながらマールとプーリを見てそう言った。
「はははっ、礼はいい、それよりも、ここからどうするつもりだ?俺たちはそれを聞きに来た」
マールは立ったままでキューイを見ながらそう聞いた。
するとキューイは軍服から地図を取り出した。
「この地図を見てくれ」
キューイはそう言いフギの町の地図を地面に置いた。
するとマールとプーリは一度目を合わせた後、地図の前でしゃがみ込み2人は地図を見た。
するとキューイの両隣にいたキーナとロウも地図を覗き込んだ。
「まず先に偵察を行う、フギの町にどれくらい中央軍の兵士達が居るのかをそれで確かめる、それからフギの町を攻略しようと思う」
キューイはみんなの目を見ながらそう言った。
「王族兵の方はどうする?王族兵が来る前にフギを攻略し始めたら奴らに気づかれて逃げられるかもしれないぞ」
マールがキューイを見てそう言った。
するとキューイが突然笑い出した、
「ふははははは、マール、大丈夫だ、気づかれないように殺るのさ、静かにな………」
キューイが不適な笑みを見せそう言った。
「静かにって、そんなバカな事出来る訳ないだろ!」
マールは怒った様にそう言った。
「ふははははは、マール、お前たちと違って俺たちの戦場は殆どが影だ、静かに忍びより、敵が気づいた時には決着はついている」
キューイは不適な笑みを浮かべたまま、マールにそう言ったのだった。