ペットボトル
マーサはギールに会った後、ルーキの居る兵舎へとやって来た………
「久しぶりだなルーキ」
マーサはルーキの居る部屋に入りそう言った。
「マーサさん、久しぶりじゃないですか!昨日連絡を受けてからずっとマーサさんを待ってたんですよ!もう、都の防衛は退屈で退屈で」
ルーキはマーサに笑顔を見せそう言った。
「ははっ、それは平和で何よりだな」
マーサもルーキに笑顔を見せそう言った。
「いやぁ、こんなに平和だと体がなまっちゃいますよ〜、一応毎日腕立てと腹筋は1000回ずつやってるんですがこんなんじゃ全然」
ルーキはそう言い両手を広げた。
「ルーキは相変わらずだな、ところで喉が渇かないか?」
マーサは平静を装いそう言った。
「あっ、コーヒーでも持ってこさせましょうか?」
ルーキはマーサにそう言った。
「いや、いい、そういえばペットボトル持って来てるの忘れてたわ」
マーサはそう言い自身が持って来たバックからペットボトルを取り出しお茶を半分飲んだ。
そして………
「ルーキお前も飲むだろ?ほら残り半分お前にやるよ」
マーサはそう言いルーキにペットボトルを手渡した。
ルーキはそのペットボトルの口を凝視した後………
「いっ、いやぁ、ちょっと俺、人が口をつけた飲み物って、ちょっと飲めないんですよね……… 」
ルーキは渡されたペットボトルを持ちながら右手で頭をかきながらそう言った。
?!
(しまった?!安心して飲んでもらう為にやった行為が裏目に出た?!)
マーサはそう思った。
「いっ、いやぁ、まぁ、そう言わずに飲めよ」
マーサは何処かぎこちなくそうすすめた。
「いっ、いやぁ、ちょっと俺、ダメなんすよね、こうゆうの」
ルーキはそのペットボトルを見ながらそう言った。
「お前はオカマか!変なバイ菌とかねーから早く飲めよ!」
(変な薬は入ってるけどね)
マーサはそう言いソファに座った。
「え〜、いやぁ、マジ勘弁してもらえませんか?俺、本当にこうゆうのダメなんすよ」
ルーキはそう言いマーサの対面にあるソファに腰を下ろしペットボトルをマーサに突き返した。
(まずい、こいついつからそんな乙女の様な男になったんだ?とにかくなんとかしなくては……… )
マーサはそう思った。
「ルーキ、人から受け取った物は気持ちよく受け取った方がいいぞ、ほら飲めよ」
マーサはそう言いペットボトルを再びルーキの前に置いた。
「 ………マーサさんもしつこい人ですね ………分かりましたよ、飲めばいいんでしょ?飲めば?俺を誰だと思ってんすか?昨日ラスボスのドラゴンやっつけたルーキ師団長ですよ?マーサさんのバイ菌なんてチョロいもんですよ」
ルーキはそう言い、冷や汗を流しながらペットボトルを手に持ったのだった。