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そして、始まり
少女。
ってか幼女だった。
親友がじゃあいってくる、あとは頼むなと、僕には意味無い爽やかキラリンをかました途端、足下に何か円状な紋章が浮かび上がった。
それを源に辺りが一瞬光で包まれたかと思うと、あいつが消え、代わりにいたのが彼女だった。
長い黒髪の少女は白いワンピースと腰に小さなバックを身につけ、きゅっと目をつむって床の上でよくみかける女子座りをしている。
膝の上には分厚い赤い表紙の本。
更に 上に並ぶ2つのにぎりこぶし。
その左手中指にはうっすらと黄色く光を放つ石がはまった指輪があった。
パチッ
指輪に電気みたいなのが走り、突然石の色が青に変わった。
しばらくして少女の目がおずおずと開き始め、自分の手元を見るように視線を向けるのがわかった。
指輪を確認したのだろう。
それから初めて自分の足元から探るように視線をさ迷わせ、その視界に僕をとらえた。
黒い瞳がじっと僕の顔を観察した後、突然照れたように顔を赤らめ、小さい声で呟いた。
「はじめまして、よろしくお願いします。先生。」
…………
…………
…………
はあああっ!?




