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カバーイラスト
世の理不尽を知った日の放課後、血の滲む油で汚れた指先を差し出す鈴華の前にいたのは、転校生の岬悠人だった。硬派な報道女子を気取る彼女の、誰にも見せたことのない一面を、彼だけが知っている。
二学期のある日、岬は誰にも告げず、忽然と姿を消す。
遠足で訪れた明治村。鈴華は、いないはずの岬の影を追ってしまう。黒ずくめの女、揺らぐ影、そして繰り返される奇妙な既視感――日常の隙間に、少しずつ〝何か〟が入り込んでくる。
なぜ彼は消えたのか。
なぜ自分だけが、彼を憶えているのか。
指先の傷と、返せないままのハンカチだけを手掛かりに、鈴華は少しずつ、隠された真実へと近付いていく。
すべてを知ったとき、鈴華が選ぶのは――。
『秋、空高く…。あの日の君を忘れない』




