感謝と反省と星
その日家から帰ると大量の硬貨が置かれていた。
「……なにこれ。」
驚愕する私にナエナが言う。
「どうも地球人というものはこの金属製の円盤で物を手に入れるそうではないですか。そのため、今までの迷惑に対しての反省とこれまでの感謝としてこの円盤を用意してみました」
山のように積み重なる硬貨。1円玉から五百円玉までさまざまである。
「この硬貨って、まさか…ぬす」
「盗んでませんよ。遺失物です」
「え、でもこんなに集められるわけ……やっぱぬす」
「だから盗んでませんよ。一体私をなんだとおもっているんですか。そんな野蛮な真似はしませんよ」
「え、でも本来の目的は地球侵略だからやっぱりぬす」
「だから盗んでません」
本当に、信じられないほど非常に怪しいが、どうやら自販機の下だとか道端に落ちている物を拾ってきたらしい。
でもあまり使う気にはならないので、ほとんど募金箱に入れた。
◇◆◇
宇宙人たちと星を眺めていた。
流れ星が空を飛ぶ。
「かのっち、見て下さい。あれは私たちの星では未来への希望を意味するのですよ」
流れ星を指してナエナが言った。
今日は月食で、少しずつ月が陰っていっている。
「今日は月食なんだよ。月食は地球が太陽と月の間に入ることで起こる現象で、これからどんどん月が欠けていくんだよ」
星は煌めき、瞬き、月は欠けていく。
完全に月が欠けた瞬間、思わず皆、固唾をのんだ。
……空に見惚れていた。
その翌日、宇宙人たちは故郷の星へ帰ることを告げた。
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