宇宙人たち、集まる
秋葉原から帰ってきてほっと一息。
推しのグッズに囲まれ、入れたてのお茶を飲む。
その時だった。
ガチャリ
唐突にドアの鍵が開く。
――その瞬間、一気に空気が重く冷たいものに変わった。
気のせいだろうか。部屋も薄暗くなった気がする。
すると、玄関の扉がギィィ、とひとりでに開いた。
バタン
「ぜーはーぜーはー。か、かのっち。どうして私を置いていったのですか。」
扉から出てきた相手は皆さんご存じ、うっかり地球で亡くなった宇宙人、ナエナであった。
「あ、ナエナじゃん。帰ってきたんだ。てっきりもう秋葉原を彷徨う幽霊になるつもりかと」
「なりませんよ。一回混乱して、地球の反対側まで落ちた時にはどうしようかとサンバ踊ってサッカー観戦しながら思いましたし。あ、これお土産のコーヒー豆です。」
渡されたのはブラジル産のコーヒー豆。
いや、めっちゃブラジルを満喫してんじゃん。
「忘れてました。これもどうぞ。イグアスの滝の水です。」
アルゼンチンも行ってきたのかよ。
というかこれをどうしろと?
片手にコーヒー豆、もう片方にペットボトル(イグアスの滝の水入り)を持った私は途方に暮れた。
「それで……そちらさんは?」
私の声を聞いてナエナが自身の後ろを見る。
そこにいたのは……
「皆の者、敬礼!ようやく見つけました、隊長!」
拳大の軍人達だった。ちょっとかわいいかも。
「おぉ。これはこれは私の隊の隊員達ではありませんか。来てくれたのですね。というか私が見えるのですね。」
「はい!根性で!」
「……えっと、何?お知り合い?」
「あぁ、かのっちには言っていませんでしたね。私は地球を侵略するためにやって来た先遣隊の隊長をやっていたのです。こちらはその隊の隊員達です。」
「あ、そう……ってえ?地球侵略しに来たの?というかそちらの隊員達とナエナじゃあ姿形が全く違うけど、なぜ?」
「あぁそれは、死んだらこうなりました。」
ええと、幽霊デビューってやつ?
とりあえずナエナの知り合いをずっと家の外に居させるのは居心地が悪いので、家の中へ入れた。
◇◆◇
「お久しぶりです、隊長!こちらは元気にやっておりましたが、隊長はいかがお過ごしでしょうか?」
「久しぶりですね。私も死んだこと以外は元気にしていましたよ。いやはや霊体というのは非常に利便性に富んだもののようで、日々それを体感しながら暮らしています。」
確かにそうだな。
私のスマホを勝手にポルターガイストして持ち出すし。勝手に課金するし。こちらは迷惑千万である。
しばらく経ち、ナエナとチビ宇宙人達の話が一段落したところで、私はずっと気になっていたことを聞いた。
「そう言えばさ、ナエナ……あなた達の隊長はどうして死んだの?」
読んで頂きありがとうございます。




