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宇宙人、なんか目覚める。

「ただいま~」


「おかえり、かのっち。」


ガチャリ、とおんぼろアパートの扉を開けると宇宙人(幽霊)のナエナが返事をする。

ナエナはここに居候しているのだ。宇宙人ならぬニート星人である。ナエナと出会ってから数ヶ月経ったが、だんだんと地球に馴染んでいる気がする。

日本語も流暢になったし。


と、ここで私はナエナがピクリとも動いていないことに気づいた。


「おいナエナどうした」


そう言うとナエナはぷるぷると震え始めた。


「これはこれはかのっち。大変です。ガチャが引けません。」


ナエナが指差す先にあるのは私のスマホってえ、スマホ?


「おいナエナ!私言ったよね。スマホを勝手にポルターガイストしないでって。これはどういうこと?それになんでまた私に黙って勝手にガチャ引いてんの?」


「で、でも見て下さい。今回のガチャピックアップは取りましたよ。しかも、今回はノーマネーです。」


そう言うと満足げな顔を浮かべるナエナ。そう、この宇宙人(幽霊)は私の遊んでいるアプリにどハマりし、オタクと化したのだ。


「ノーマネーって課金してないってことだよね。それが、“今回は”ってどういうことかな?」


「二週間前のコラボガチャでかのっちは課金したので気づかなかったかもしれませんが、私もそれに便乗し、こっそり課金していたのですよ。」


二週間前のコラボガチャ……あん時か!


「どーりで金額が高く感じた訳だ。犯人はお前だったのか!」


「ええ、ですから今回も課金を、」


「させるか!……あ、でも、スマホ頂戴。ガチャ引くから」


そう言ってナエナからスマホを強奪……じゃない、返して貰った。

 

「課金でカッキーン。な~んちゃって……」


「かのっち。今のは寒いです。」


「うぅ……分かってるよ。言ってから後悔した」


それにしてもナエナは後ろでガチャガチャとおたまをいじっててうるさい。


「ちょっと静かにしてくんない?ガチャの神に祈れないんだけど?」


するとナエナが不意にこちらを向く。その顔はいつになく真剣である。


「かのっち。地球とは真に不思議な所ですね。」


「おう、いきなりなんよ」


「いえ、多種多様な生き物がいて、多種多様な物がある。文化だって同じです。その生き物の数だけ文化があります。このおたま一つとってもこれと全く同じ物があるとは限りません。」


「あ、そう」


いきなりなんだ?


「このおたまだからこそ、してきた経験があります。このおたまはここにしかないのです。」


「お、おう」


「というわけでおたま、貰っても良いですか?」


え?


「別にいいけど……え?何?今までのくだりはただおたまが欲しいだけにあったの?」


「えぇ。」


さも当然のように肯定するナエナ。


「なんかすごそうなこと言い始めて?」


「えぇ。このおたまを見るとドキドキするのです。もしかして……これが恋ってやつなのでしょうか?」


「……ナエナ。あんたの肩書きすごいことになってんよ」


宇宙人の幽霊かつアニオタかつアプリのガチャにはまっている(他人の金で課金)かつおたま大好き(恋愛的に)。

やべぇヤツだ。


「お前も染まったな。地球、というか日本に」


「おたまも染めました。」


見ると鈍い金色だったおたまが銀に光輝いていた。

読んで頂きありがとうございます。

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