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第五話 伝説の冒険家

「それじゃ、五級か四級どっちの魔獣にする?」


残る課題は一つだが、この課題が一番大変だ。


「指定魔獣は何?」


「五級は狼で四級は蛇だよ。」


どちらも強そうだが、どうせならより高い級に挑戦したいと思う。蛇に挑戦したい伝えた。


「わかった。どんな魔獣かは、見てからじゃないと説明したらいけないことになってるから。楽しみにしててね。」


指定魔獣の件についてはわかったが、もう一つ問題があった。確か魔獣を討伐する時は、試験官の付き添いが必要だったはずだ。


「でも、魔獣を討伐する時には、試験官が必要なんじゃ...」


「そうなんだけど、たまたまここに試験官の資格を持ってる人がいてね。」


アルカナは自らを指差す。

そうだった。有効的に接してくれていたから実感がなかったが、アルカナはこの国の王様だった。それなら試験官の資格ぐらい持っていてもおかしくはない。


「アルカナがついてきてくれるんだ。よろしくね。」


アルカナはセレストの身なりに違和感を覚え、質問をする。


「そうなんだけど...見た感じ、武器を持ってなさそうだけど大丈夫?」


それもそうだ。今までの戦いは魔法で完結していたが、これからの戦いは流石に魔法では済まないだろう。武器を買っておく必要がある。


「買い物、付き合ってくれる?」


アルカナは快く承諾してくれた。しかし買い物ではなく、武器収集についてだ。アルカナはセレストを連れて、城の武器庫へと足を運んだ。

武器庫には剣や弓、槍など多種多様な武器が置かれていた。

どれか選んでいいと言われたが、使ったことがあるのは母さんから教わった剣ぐらいだ。


「この剣にするよ。」


掴んだ剣は他のと比べ、比較的軽い片手剣だ。これならいくらか使えるだろう。


「剣か、実は僕も剣を使うんだよね。」


アルカナが戦闘する姿を見たのは、森の中だけだが、剣なんて使っていなかった。なんなら持ってもいなかった気がするが。まあ何でもいいか。


「どのくらい使えるのかな?」


「人並みには使えると思うよ。母さんから教わったぐらいだけどね。」


セレストの母親か。話はある程度聞いた、冒険家だったらしいが強いかどうかは分からないな。まあ僕もついて行くし大丈夫か。最悪僕が倒せばいいし。アルカナは思った。


「それなら大丈夫だね。じゃあ、これから蛇のいる場所まで案内するよ。」


武器庫から中庭へ移動するとアルカナはアストラルに乗り目的地へと向かう。追いかけると、都市から離れ、大きな湖へと降り立った。この周りだけやけに静かで神秘的な雰囲気を際立たせている。


「来るよ。」


静かな空間に噴気音が鳴り響く。水面がゆらめき始め、何かが浮き上がってくる。

それは真っ青な警告色で、エラのような物が付いている、巨大な蛇だった。


静かな空間に噴気音が鳴り響く。水面がゆらめき始め、何かが浮き上がってくるのが見えた。

それは真っ青な警告色で、エラとヒレの付いている巨大な蛇だった。


「名前はレイクサーペント、水魔法が得意だから、そこに気をつけて戦うといいよ。」


頬を叩き、気を引き締める。


「よし、行くぞ!」


言い忘れていたがエデンは見守りだ。

まずは湖から陸へフィールドを変えなければまともに攻撃もできない。魔法を撃って気を引こう。


〈風剣〉(ウィンドブレイド)!」


〈風剣〉はレイクサーペントの首元へ飛んでいき、かすり傷程度だが傷をつけた。

こちらを向いた。気を引くという目的は達成したが、近づいてくる気配はない。それどころかその場で魔法を飛ばしてくる。


レイクサーペントの周りの水が浮かび上がり、針の形に変形し、発射される。

痛ッ!少し刺さってしまったが自然に消滅するらしい。

一度、木の裏へ隠れよう。


まずは情報整理だ、あの魔法は針みたいな形で刺さると消滅する。見たところ数は無制限のようだ。

そしてレイクサーペント自身はエラとヒレのある蛇で、

〈風剣〉をかすり傷で済ましてしまうほど硬い鱗で覆われている。

一応、他の魔法も試してみよう。


〈石爆〉(ストーンブラスト)!」


当たりはしたが、鱗に弾かれてしまった。この様子なら〈石矢〉(ストーンアロー)も効かないだろう。

しかしダメ元で爆破した時、少し怯んだように見えた。


現状、使える魔法は〈石爆〉と〈風剣〉ぐらいか。あと〈拡大〉(エクスパンド)などもあるが、使い道が...


いや、これならいけるかもしれない。だが、まずは針をどうにかしなければ。


あれ?

針が刺さると消滅するなら壁を立てればいいだけでは...

水の針だから水で受けた方がいいか?

じゃあここをこうして...いける!


「これでどうだ!」


水で出来た半透明の壁を体の周囲に作り出した。レイクサーペントの飛ばしていた針は、水の壁に勢いを吸収され、こちら側に届くことは無くなった。これなら相手を見ながら戦える。


「成功だ!あとは近づいてくるまで...」


レイクサーペントにこれでもかと〈風剣〉を喰らわせる。

痺れを切らしたのか、レイクサーペントが動き出した。

と同時に水中へ姿を消す。


「逃げた?」


レイクサーペントが消え、湖に静寂が戻る。

しかし逃げたわけもなく。

次の瞬間、水中に巨大な影が見える。その影は目の前の水際へと急接近し、地を這いながらゆっくりと近づいてくる。

剣を構え、相手の行動を伺う。


レイクサーペントは、こちらに狙いを定め、飛びかかってきたが、剣を使い受け流し、そのまま流れるように胴体へ二撃与える。

刃が通った。良い武器を揃えてくれた、アルカナに感謝だ。

この行動を何度か繰り返し、レイクサーペントの動きが鈍くなってきた。

そろそろ決められそうだ。


レイクサーペントの不意をつき、側面に回り込む。

エラヘ〈石爆〉を撃ち込み、爆破。

爆破により怯んだ隙を見て、首を狙う。


「トドメだ!〈拡大〉(エクスパンド)。」


両手剣ほどの大きさになった剣で、レイクサーペントの首を切り落とした。


「倒せた?」


「うん。これで討伐完了。後は正式な申請を終えたら、霊獣使だね。」


「やったー!でも疲れたー!」


色々あったが、遂に指定魔獣レイクサーペント討伐を完了した。申請が必要らしいが...

面倒くさいことは、後回しにしよう。


そんなセレストとは違い、アルカナはある疑問が浮かんでいた。

想像より強くて驚いたけど、この戦い方見たことあるんだよな。特に突進を受け流した後の、軽やかな斬撃。

師匠は冒険家の母親だったはず...


「セレストはお母さんに剣を教えてもらったって言ってたよね。」


「そうだよ、冒険家ってことは言ったよね。稽古してもらったり、戦いを見せてもらったりしたな〜。」


「もしかしてなんだけど、名前はティアだったり...」


「そうだよ!知ってるの?」


い、いや待て待て、たまたま名前が同じなだけかもしれない。


「髪の色は?」


「僕よりちょっと濃い水色だよ。」


「使っていた武器は剣だけ?」


「いや、全部はわからないけど剣だけではなかったはずだけど、どうしたの?」


出身地、年齢、その他もろもろ自分の知っていることを聞いてみた後に、セレストを置いてけぼりにして長考したが、

聞けば聞くほどある人物が頭に浮かんでくる。

セレストの母親は多分、いや確実に、


数多の偉業を成し遂げた伝説の冒険家。

英雄ティア。その人だ。





魔法

〈水針〉(アクアニードル)

水を針に変形させる魔法。水を空中に貯めて、一気に変形させることで連射できる。


魔獣図鑑

湖蛇(レイクサーペント)

湖に巣食う、魚の特徴を持つ蛇。水魔法を使う。

大きさは、個体差はあるが大体10〜15mぐらい。

頬の辺りにヒレとエラがある。エラ呼吸と肺呼吸どちらも可

そのため、水中から陸へ高速で飛び出し獲物を狩る。

ので湖付近での被害報告が相次いでいる。

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