第三話 竜の国
エデンはセレストを守りに応戦しようとするが、エデンは止まる。攻撃するとセレストがどうなるかわからないからだ。今は見守るしかない。ただ魔法の準備は少しづつ進めて。
すると門番がセレストへ問う。
「お前もあいつらの仲間か!」
「あいつらって?」
あいつらとは誰か分からないが、誤解だということを伝える。が、信用は得られないようだ。持ち物を出せと言われたので取り敢えず従う。
持ち物と言ってもあと一日過ごせる程度のお金と、青年からもらった玉ぐらいだが。
「おい坊主。これをどこで。」
門番が引っかかったのは玉のようだ。隠すこともないので包み隠さず伝えると少し待っていろと言われた。すると門番は他の兵士にそれを預けた。それを見た兵士達も驚いているようだ。少し離れて、何かを話している。
話がついたのか、最近よく見るようになった、兵士の前に空間の歪みができる。誰かを呼ぶ声が聞こえた。
声が聞こえて、数秒も立たっていないが、背後から感じたことのある圧を感じた。
「やあ、さっきぶり!」
そこには森で出会った青年が立っていた。
「僕の客人だから通しても大丈夫だよ。」
青年の言葉に安堵した様子で門番達は警備へ戻った。
そして青年はセレストについてくるように言う。
「森の時と同じだね。取り敢えず僕の家に行くよ。」
「分かりました。」
初めて会った時から薄々気づいていたが、この青年、貴族とかその辺の出なのかもしれない。しかし何故門から離れて行くのだろうか...
疑問に思っていると、青年が魔法を唱える。
「〈歪門〉。これに入って。」
魔法を唱えると空間が歪み、楕円型のゲートが生成される。得体の知れない魔法に少し抵抗があったが、青年が入ってしまったので、後を追うように入る。
エデンには小さそうに感じたが、入る時には少し大きくなった。便利な魔法である。
ゲートを抜けると、見るからに豪華な部屋へ出た。紋章が描かれている旗、高そうな絵画、そして幼い頃絵本で見たような玉座が置かれていた。
「えーっとぉ、アルカナ様ぁ?その子達どうしたんです?」
部屋の装飾に目を奪われていたため、部屋の脇に人がいたことに気づかなかった。
ヴァルナだけか〜、と落胆するアルカナ?と呼ばれる青年は機嫌を悪くしたヴァルナ?さんを宥めている。
「そこの森で出会ってね、面白そうだから連れてきたんだ。皆んなは?」
ヴァルナは興味なさそうに首を傾げる。
状況を理解出来ていなかったが少しづつ整理し、確信を得るために青年へと質問をした。
「あなたは何者なんですか。」
説明せずに連れてきたのかとヴァルナに詰められているが、青年はこの状況を待っていたかのように唐突に玉座へ座り始めた。
「そうだった、自己紹介をしようか。」
白々しく青年は話を始める。
「僕は、ここ龍王国ドラゴリニスの王にして、幻の竜アストラルと契約を交わした唯一の人間。人呼んで!」
「星竜王...」
かなり投げやりな声が聞こえた。
「そう、僕は星竜皇アルカナ。気軽にアルカナって呼んでね!敬語も不要だよ。」
「私たちは何を見せられているのだ...」
エデンもこれにはタジタジだ。セレストは素早く自分の名前を教えて、流れを断ち切った。
「茶番はこの辺にしようか。本題に入るけどセレストをここに連れてきたのは、エデン君についてなんだよね。」
先程までのテンションとは異なり、かなり真面目な話のようだ。
「まず、セレストは〈縮小〉と〈拡大〉を使えるかな。」
魔法を覚え始めたのが最近だ。どちらの魔法も見たこともた聞いたこともなかった。素直に答えたが、アルカナはとても驚いているみたいだ。そこまで一般的な魔法なのだろうか。
「その魔法はどんなことが出来るの?」
「ふふ、僕の肩を見ててね。」
言われるままに肩を見ていると、小さな影が見える。
あれはトカゲ...いや、ドラゴン!?
アルカナの肩には小さくなったアストラルが乗っていた。
正直かわいい。
「これが〈縮小〉だよ、ここでは出来ないけど〈拡大〉で元の大きさに戻せる。」
「これが使えないってことは、セレストは試験を合格してないんだよね?」
そもそも試験に参加してないのだが
「実はこれを合格しないと霊獣を市内に入れることが出来ないんだよ。だから基本的にはどこかの国で、まず試験を受けてから契約するんだけど...」
「稀にいるんだよね、試験受ける前に契約をしちゃう人。」
まあ何故かって、普通は試験を受けないと危険すぎて契約を出来ないからなんだけどね。でも稀にセレストとエデン君みたいな、珍しいタイプがいる。
「ごめんなさい...」
「謝る必要はないよ、だってこれから合格すればいいんだ。」
この子達がどこまで強くなるか見てみたい。
「君たちにはこれから、試験を受けてもらう。」
魔法
〈歪門〉
空間を歪めて、二つの空間を繋ぐことで瞬間移動できる。
最大で一セット。
自分の知っている場所かつ今いる場所からどのぐらいの距離か理解する必要がある。
〈縮小〉
対象を小さくする。可能な数は同時に二つ、限界は物によって変わる
〈拡大〉
対象を大きくする。可能な数は二つ、限界は以下略




