第一話、オモテの日常①
主要人物以外の初登場の時はここ、前書きにて人物紹介を書かせてもらいます!
和倉かれん(わくらかれん)(27才・女)
小早川国際中学校1年1組の担任。ネット廃人で、uitterのフォロワー数が最近1万人を超えた。アカウント名は「ある中学校教師のぼやき」。
色々と登場人物紹介が長くなってしまい...
いよいよ、物語のはじまりです!
唯夏たちがいる世界へ、いってらっしゃい!
「朝だよー!遅刻するよー!」
唯夏たちはママに起こされた。ここにいる人たちは寝起きが悪いので、みんな二度寝をしようとするが、ママの手によって強引に起こされる。眠い目をこすって階段をおりると、食卓にはパンとヨーグルト、それにフルーツと、ママが作った朝ごはんが置いてある。
「いただきまぁーす」
唯夏たちは急いで食べ、学校に行く準備をする。
結局みんなでだらだらするので、遅刻寸前になる。
「やば!急がなきゃ!」
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい!気をつけてね!」
唯夏たちは急ぎながら最寄りの関ヶ井駅に向かい、関ヶ井電鉄関ヶ井線に乗る。
電車に20分ほど乗ると、学校の最寄駅、関電小早川駅に着く。そこから10分ほど歩いたら、唯夏が通う中学校、小早川国際中学校に着く。
関ヶ井線はとても本数が少なく、学校に間に合う列車でも20分前には着いてしまう。唯夏たちが学校に行ってもまだ教室には誰もいない。
「はぁ疲れたぁ〜」
唯夏たちが一息ついていると、
「おはよー!」
と、柚葉と雪乃が入ってきた。
柚葉を見るなり、唯夏が抱きつく。
いつの間に人格交代していたらしい。
「藍いきなりやめてよぉ〜」
藍は柚葉を見て、しょんぼりしてしまった。
柚葉はそれをみて藍を抱きしめた。
藍はとても嬉しそうな表情をしていた。
すると藍は柚葉に抱きしめられたまま、目を閉じた。眠っているように見えるが、これが基本的な人格交代のタイミングだ。唯夏と澪の間で人格交代する時のみ、すぐに人格交代ができるらしい。
30秒もしないうちに唯夏が目覚めた。自分が柚葉に抱きしめられている状況に、寝起きで若干戸惑っていたが、すぐに状況を理解した。
「藍出てた??」
「うん出てたよ〜」
「あぁごめんごめん...」
「大丈夫!可愛いもん!笑」
解離性同一性障害によって生まれる人格は、内部で記憶を共有してくれる人格と、共有してくれない人格がある。唯夏が持つ人格のなかで、きらと藍のみ、他の人格に記憶が共有されないらしい。
それから5分くらいすると、紫音と遊音が入ってきた。
「おはよー」「おはよー」
いつものようにシンクロした2人の挨拶。
当たり前のように一緒の服に、当たり前のように一緒の髪型。声もほぼ同じなのだが、唯夏たちは聞き分けることができるらしい。
みんなで雑談をしていると、朝8時の始業チャイムが鳴った。
チャイムと同時に担任の和倉がはいってきた。
「おはよーございまーす!!」
元気だ。
「えー出席とりまーす!」