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普通の色になるための

作者: ヒルデ

私にも小さい頃はとても純粋無垢な可愛らしい少女だった時代がありました。好きなものを好きと言い、本能のままに行動する。ピンク色とハート柄が好きで、周りが水色や星柄を好むようになってもそんなことを気にせずピンクが好きと言える。自分も友達も大好き。その中でも自分は一番で優れている人間だと疑わず、将来にキラキラした希望しか抱かない日々が。


そして、少し成長した私はもっと沢山の人と関わるようになりました。ただ、そこには私の心よりもずっと強い言葉で私を笑う人がいました。自分が好きで可愛いと信じて疑わない私は、自分が「ぶりっ子」であることを知りました。周りの人の目も冷たくなったのを知って、私の心には傷がつきました。

自分の心を守るために、傷を隠すために。私は真っ白な心に、上から「謙虚」と「世間体」のペンキを塗りました。


その後に、周りを見渡すと他のみんなは「真面目」のペンキの色を嫌うことがわかりました。でもなぜか、「不真面目」なペンキを塗ると周りの人が限られることも知りました。

なので私はその2色を混ぜて「ほどほどに不真面目」のペンキを心に塗ることにしました。


すると周りには沢山の仲間が出来ました。

その仲間たちは自分を下げ、相手を褒めることをしていました。

なので私も「尊敬」と「謙遜」の色のペンキを塗ることにしました。


しかししばらくすると、「尊敬」と「謙遜」のペンキの層が錆びて「相手の顔色を伺う」「自分を貶す」と言う色に変化していました。


それも放置してしばらく経つと「自分を貶す」の色がだんだん黒く変色して、「自己嫌悪」の色へと変わってゆきました。


「自己嫌悪」のペンキは自然と心のどこからか湧いて、永遠と私の心を黒く染めてゆきます。いつからか無限湧きしている「自己嫌悪」のペンキは乾くことを知らずに滴り落ちてゆきます。


それも日常になって少しした頃、みんながそれぞれ唯一で一番なことを知りました。頭では理解できました。でもいくら自分が唯一な人間であることを心に教えても、わかってくれません。


私は「自分を信じる」色がないからだと気がつきました。なので私は「自分を信じる」色のペンキを心に塗りました。

でも、いくら塗っても、塗っても、「自己嫌悪」のペンキが「自分を信じる」ペンキを弾くのです。

どんなに上から「自分を信じる」ペンキを塗っても、上から垂れ流しても、何故か湧いてくる「自己嫌悪」がそれを受け入れません。



私は今も、口から出る言葉が、感じる気持ちが。いつか塗ったことすらも忘れたペンキで心が塗り固められたせいで、どこまでが本心なのか、どこからがペンキによる変色なのかすらもうわからないことしかわからないのです。


私は今、普通の色をしているでしょうか?

最後までありがとうございます。

気ままに駄作を書いていきます。

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