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人間×ドラゴンのハーフの少年、地球侵略ドラゴン達と戦う-ハーフドラゴンのスバルくんっ!-  作者: アッキ@瓶の蓋。


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I Can Not Survive If I Do Not Fight -蠱毒より生まれし龍-(4)

ー前回のあらすじー

マグノリア「時間操作能力が使われてたみたいだし、こっちで時間操作能力使って助けるわ」

「うっ、ううっ……」


 頭がぐらぐらと、まだ揺れているような感覚を感じる中、僕はゆっくりと目を開ける。


「あっ! ようやく起きた! スバルくん、大丈夫?! 怪我してない?」

「スーちゃん? だいじょーぶ、なでなでする?」


 目を開けると、飛び込んできたのは心配そうにこちらを覗き込むユカリとエクレルの姿。

 さらに奥へと視線を向けると、僕と同じように未だに脳がきちんと覚醒していない、寝起き状態であろうマイヨールの姿もあった。


 さらには見覚えのある街並み……ナイトレス・ハーバーシティの光景も広がっている。

 勿論、セピア色の光景ではなく、ただ単に現実味のある銀色のビルや、青い空など、とても見覚えのある光景である。


「(戻ってこれた、のか)」


 ホッ、と溜め息を吐き、その声の大きさがいつもと同じくらいの大きさ‐‐‐‐龍の力を持ってるが故に、敏感に聞こえるといういつもの感じであり、僕は自身の力も戻っているのが分かった。


「(あの時……マイヨールさんが、卵を投げて、割ってくれたから……力が戻ったんだよな)」


 シグマズルカの手に絞め落とされそうになったあの時、マイヨールは落ちていた僕の、龍の力の源である卵を投げて、ヨーヨーで割って、僕の身体と融合させてもらえた。

 そしてその後、マグノリアの能力によって生まれた渦の中に吸い込まれて、僕達はこの時代に戻れたという訳、か。


「(あの厄介なシグマズルカは、マグノリアさんが押さえていたし……。これにて一件落着、かな?)」


 ようやく、レイク・ラックタウンに帰れる。

 僕は開放感からゆっくりと、背筋をピンッ、と伸ばす。




「あなた達、(とう)(そう)はさせてあげないですよ」


 しかし、まだ終わってなかった。


 僕達の前に空を飛んで現れた骨仮面の龍----今まで僕とは戦っていない第3のシグマズルカは、光るヨーヨーを手にし、僕達の前に姿を現した。



「ちょっ……! まだ追ってきましたか、シグマズルカ2号!」

「誰が2号ですか! この(かぜ)(りゅう)め!」


 ユカリが空を飛んでいるシグマズルカに苦言を呈すと、2号呼ばわりされたシグマズルカは「むきーっ!」と金切り声をあげていた。


「あれれ?! あの仮面ちゃんが、2人目?」

「いいや、エクレル。僕にとっては3人目です」


 1番最初にエクレルと共に撃退した者。

 過去のセピア色世界で、手だけとなって襲い掛かってきた者。

 そして翼によって空を舞いながら現れた者。


 どれだけ、このシグマズルカにはバリエーションがある、というのだろうか。


「あれはっ! 私とマイヨールさんをさらった、ミラーボール頭のリュウシントです、よっ!」


 ユカリが風の槍を作り出して、空を飛んでいるシグマズルカに攻撃しながら、そう大きな声で口にしていた。

 それに対して、シグマズルカはと言うと、マイヨールと同じ光のヨーヨーを用いて、風の槍を撃ち落としていた。


「なんで、あのシグマズルカは、マイヨールさんと同じヨーヨーを?」

「あの怪人が、私の武器をコピーしたからですよ」


 マイヨールもまた、ユカリと同じようにどこまでも伸びる糸を用いて、光のヨーヨーを振るいながらシグマズルカに攻撃していく。


「元々はただの音楽バカみたいなリュウシントだったのに、骨仮面を付けてから何故か相手が持っている武器をコピーするだなんて能力を手に入れたみたいでして。

 ……だから、スバルさん。合体変身はしない方が良いですよ。私のように、コピーされるだけなんで」

「ちょっとっ! マイヨールさんっ! スバルくんに、指図しないで! 私は、マグノリアさんのように伸び伸びと育てる方針なんです~!」

「あんな化け物が、2人もいてたまるか」

「なんですか、このチキスプがぁ!」


 翼を出して空を飛びながら攻撃するユカリと、シグマズルカとユカリの両方に攻撃し始めるマイヨール。


「よぉ~し! あたしもやっちゃうよぉぉ!」


 2人に負けじと、エクレルも大きな龍の爪に変えて、雷を落としながらシグマズルカに攻撃する。

 その様子は、戦いと言うよりかは、普通に楽しいお遊びをしているかのような感覚である。


 金の、幹部クラスの戦いだというのに、いまいち戦闘に迫力や集中が足りていないと思う。


「~~~~! あんたら、私との(せん)(とう)をなんだと思ってるんですか!」


 遂にキレたシグマズルカの手から光のヨーヨーが消えると、代わりに10mはあろうかと思われる巨大な刀が現れた。


「《鏡像武装/大 オキクロン剣》!」


 そして生み出した巨大な剣、オキクロンと名乗っていた別の金色の一等級、オキクロンが持っていた武器に良く似ていた。

 ただし大きさはまるで違うその剣を振るい、いや、回して大きな竜巻を作り出す。


「竜巻、それに星のサービスですっ!」


 竜巻が周囲を襲い、それに合わせるように天から焔を纏いし隕石がいくつも、いくつも落ちていく。

 荒れ狂う風と襲い来る隕石が、ユカリとマイヨール、それにエクレルの3人を吹き飛ばす。


「なんのっ‐‐‐‐!」


 僕は3人が吹き飛ばされないように、地面を操り、遠くへと行かないように、3人に土の膜を生み出していた。

 生み出された土の膜はくぼ地になっている部分に、3人を入れて直接、竜巻の被害を受けないように調節する。


「ありがとう、スバルくん!」

「流石だね、スーちゃん!」

「ナイスですよ、スバルさん!」


 3人が地面の中から、僕にそう返していた。

 これで竜巻によって、彼女達がどこかあらぬ場所へ飛ばされることはないだろう。


 しかし、その姿を見る事は出来なかった。


「《鏡像武装/多 マフデルタ銃》!」


 巨大な剣がパリンッと割れて消え、代わりにマフデルタが持っていた銃を手にしたシグマズルカは、それを3発、放つ。

 1発目はユカリ、2発目はエクレル、そして3発目はマイヨール‐‐‐‐それぞれを守った土の膜ごと、銃から放たれた闇の銃弾によって、虚空へと消え去る。


「‐‐‐‐っ! 3人ともっ!」

余所(よそ)()は、禁物と言っておきましょうか」


 すーっ、と空を飛んでいたシグマズルカが、ゆっくりと僕の前へと降りてくる。

 その右手には僕が持っているのとは色違いの、龍としての力を覚醒させるベルトを手にしていた。



「邪魔者はいなくなりました。ご心配なく、彼女達は無事です」


 持っていたベルトを腰へと装着すると共に、シグマズルカの身体を真っ黒な光で覆われる。

 それによって腕や足などの四肢全てに龍の鱗が表れ、天にそびえる2本の黒い角が生える。


 ‐‐‐‐覚醒ベルトを用いての、完成系となったシグマズルカの姿である。


「《鏡像武装》はあくまでも(こう)(ぞう)を真似るだけの代物。

 だからこそ、物体よりも大きいモノから、いくつも複製も可能。ただし真似事でしかありませんし、先程の母の銃を真似た攻撃も、母とは違って消滅させることは出来ず、ただどこかへ飛ばすことしかできませんが」

「やけに、丁寧に教えてくれるじゃないですか……」

「知らないんですか。敵にここまで懇切(こんせつ)丁寧(ていねい)に教えるというのは、完全に、勝利を確信したという時だという事を」


 シグマズルカは龍鱗で覆われた手を地面の中に、まるで水の中に手を入れるかのようにするりと、地面へと突っ込む。


 ----がしゃりっ!


 なにかが鍵をかけるかのような音が聞こえると共に、地面から音が聞こえなくなった。


 ゆっくりと回り動く自転の際に生じる、音。

 地面奥深くにてドロドロと流れるマグマの、音。

 

 そう言った、地球から聞こえてくる音楽が、一切、聞こえてこない。


「私の力‐‐‐‐"相手の大事なモノを奪い取る程度の能力"の応用。

 あなたの力の源、地球の力のコアとも呼ぶべきもの、地球の動きを"奪い取りました"」

「地球を動かなくする……なるほど、それだと僕の力は半減以下ですね」


 地を司る地龍である僕が、重力を操れるのは、地球と言う惑星を操作しているから。

 それにより、地球にかかっている重力の一部を、僕が権限として使えている。


 ここまでくると、理屈とかなんかではない。

 "地球を操作する"、すると"重力を操作できる"‐‐‐‐出来るのだから仕方がない。


「(しかし、地球が使えないとなると、重力操作が出来ない)」


 対してあちらは、星を落としたり、相手の武装を鏡で映しとったり、さらには防御不能な体術まで使える。

 はっきり言って何でもありの、めちゃくちゃ厄介な相手。


「しばらくしましたら、地球ほどの惑星ならば、活動を取り戻すでしょうが……あなたを倒す程度の時間は、稼げるでしょう」


 「終わりにします」とばかりに、シグマズルカが手にしたのは、過去の世界でマフデルタが手にしていた刀に良く似ていた。


「《鏡像武装 マフデルタ刀》‐‐‐‐偉大なる母の刀を借りて、あなたを倒します。

 ……さぁ、どうしますか? 重力という武器を失い、さらには単体ではろくな戦力もない、半分龍のスバル・フォーデンくん?」




 状況は限りなく、僕に不利である。

 シグマズルカは万全の布陣にて、僕の力の優位性‐‐‐‐地球を止めて重力やら、皆をバラバラにして融合合体やらは対策済み。


「(かなり、状況はこちらの不利……だよな)」

「さぁ、なにか言い残すことはありますか? (ゆい)(ごん)くらいは、聞いといてやりますよ。

 そして、それを手土産に、私は、マフデルタ様に褒められるという、(しょう)(さん)を受けるので」


 勝ったと思って、果てしなく油断しているシグマズルカは、大好きな母親の武器たる刀を持って、かなり嬉しそうだった。


 それに対して、僕はカチャリ、とベルトをはめる。


「……ほぉ、単体でもこの私と戦う気ですか。

 諦めが悪いとか、いや、それ以前に戦力(せんりょく)分析(ぶんせき)が出来ないんですかね?」


 ベルトを付ける行為を見て、今までヘラヘラと笑っていたシグマズルカの顔に、真剣みが宿る。


「ただ、フレアリオンなどの龍達と出会って、諦めが悪くなった。それだけです」

「諦めが悪いのは、長生きできませんが、ねっ!」


 彼女がマフデルタの刀を振るい、斬撃の衝撃波が僕の方へと飛んでくる。


「ぐっ……!」


 いつもよりも、明らかに動かし辛い地面を動かす。

 地面を盛り上げて、衝撃波を和らげるも、全てを完璧に防ぐことは出来ずに、僕の足に、刀の斬撃をくらう。

 足は斬撃によって傷つき、血まで出ている。


「ほらほらっ! やはり、逆らうなんてやめておけばよかったんですよ。

 たった1人で、戦うだなんて、()(ぼう)! おとなしく、今からでも、やられておけば?」


 ニヤリ、そう笑う彼女の誘いに、


「ぜったい、いやだっ!」


 そう返す。


「死ぬよりかは、屈する方が楽だと言うのに、やはり半分は龍とは言えども、この惑星の、低能なる者と混ざりしあなた方とは、分かり合えないようですね。

 マヌスの考え……他生物との共存だなんていうのは、夢物語であり、絶対に仲良くなれないと、改めて理解しましたよ」


 シグマズルカの背後に大量の星が、空から降り注ぐと、持っている刀の刃に収束していく。


「奥義、《惑星斬》!」


 金色の光となって放たれた斬撃波は、5mはあろうかという大きさで、僕に迫る。


「‐‐‐‐来たっ!」


 そんな中、僕の身体が、ベルトが、真っ白に光始めて、その光が斬撃波を受け止める。


「バカなっ! マフデルタ銃で、遠くへ飛ばしたのに!?

 えぇい、私の母への愛のカタチたる技で、合体する前に倒してあげますよ!」


 光は僕を守りつつ、僕の身体へと入っていく。

 そして、上空から目にも止まらぬ速さで、僕の方へと飛んできて‐‐‐‐


【【完成、アネモイ!】】


 ユカリとの合体系となった僕は、風の力で斬撃波を受け流す。


【【ごめんね、スバルくん! けれどもお姉ちゃんが駆け付けたから、もう大丈夫だよ!

 さぁ、一緒にこの仮面龍を倒そう! やっちゃおう!】】


 合体した姿を見たシグマズルカは、小さく舌打ちする。


「合体したところで、なんだと言うんですか……。

 私の力、侮らないで欲しいですね」

【Tips】

〇神/貧乏神

…取りついた人間、その家族を不幸に陥れる神。貧乏神にも色々と種類はあるが、人間が持つ幸運のエネルギーを取って、相対的に不幸にしていくという生態のモノが一番分かりやすい

 主役龍シグマズルカは生物の人格を幸福と見なし、人格を奪って自らの力に変えたりする

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アルファポリスでも、連載中です cont_access.php?citi_cont_id=836368854&s
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