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人間×ドラゴンのハーフの少年、地球侵略ドラゴン達と戦う-ハーフドラゴンのスバルくんっ!-  作者: アッキ@瓶の蓋。


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Dead or Alive ー排除か、救助かー(後編)

第10回と聞くと自分の中では「おっ、ここまで来たな!」と思いながら書いていたのですが、

他の人にとっては「そんな序盤で油断するな」とか思ったりするのでしょうか

10話も生み出せるというと、自分の中では調子が上がって来たところなのですが

「……そうですか、残念ですね」


 マフデルタは銃の引き金に指をかけて、そのまま銃口をツカマルジョの髪の牢獄に囚われているユカリとエクレルの2人に向ける。


「私は、銃弾龍マフデルタ。私の銃から放たれる闇の重力で、歪み、そして消えるが良い!」


 引き金を引いて、銃弾を発射するマフデルタ。

 ‐‐‐‐しかしその瞬間、その銃弾は銃の中で爆発した。


「~~~っ! 来ましたか、えーっと最悪の瞬間的な?」


 マフデルタが目元にしわを寄せて、横へ向けると、そこにはフレアリオンとスバル‐‐‐‐味方の2人の姿があった。



「スーちゃん! フレーちゃん!」

「スバルくん! フレアリオンさん!」


 髪の牢獄の中の龍が叫び、


「ちっ……公開処刑は、この辺にしときましょう」


 マフデルタは銃を、増援に来たスバルとフレアリオンの2人に向けていた。


「待ってくださいであリンス、マフデルタ様! ここは、あちきがなんとかするであリンス!

 そうして、幹部になるであリンス! 優遇されるのは、あちきであリンス!」


 銃で応戦しようとしていたマフデルタを、後ろで臭すぎるほどの香水をドバーッと被ったツカマルジョが止めていた。

 そして、マフデルタはコクリと頷く。


「そうですか、では任せます。さぁ、ツカマルジョ‐‐‐‐これが成功すれば、あなたも晴れて幹部入りです」

「えぇ、あちきに任せるであリンス! あちきの髪の毛に捕らえれば、どんな強力だろうと無効化であリンス!」

「‐‐‐‐そうですか、それなら頼みます」


 マフデルタはツカマルジョに一言いい、そのまま空間の中に入って、どこかへと逃げて行った。


「フレアリオンさん! 1人、逃げた!」

「スバル・フォーデン! 今は、ユカリとエクレルを助けるのが最優先だ!」


 僕は逃げた悪龍を提案するも、フレアリオンに即座に却下される。

 けれども、彼女の言っていることの方が正しい。そうだ、今は2人を助けるのを優先すべきだ。


「‐‐‐‐ふふ、あちきが負ける事なんてあり得ないであリンス! どんなに強い技であろうと、あちきの防御は崩せないであリンス!

 それどころか、あんたらも捕まえて、あちきはさらに高みへ行くで、あリンス!」


 長すぎる髪を振り乱して、ツカマルジョは僕達を捕まえるために髪を伸ばしてきた。

 その長い髪からは、むんむんと香ってくる香水の香りがめちゃくちゃ漂って来る。


 忌々しい事に‐‐‐‐どうやら父の予想が当たり始めているようである。


「じゃあ、スバル・フォーデン。例の、だ」

「……了解!」


 僕は石の鎧で全身を覆い、そして僕の後ろをぴったりつく形でフレアリオンが追って来る。

 そして僕達を捕らえようと伸びてくる、ツカマルジョの髪の毛。


「またしても炎で焼こうだなんて、そうは問屋が卸さないであリンス! もうあちきの髪は‐‐‐‐」

「‐‐‐‐燃えないん、だろう! けれども燃やすのは、"お前じゃない"!」


 フレアリオンは青い炎‐‐‐‐通常よりも高い温度の炎を手の上に生み出して、それを‐‐‐‐



 ‐‐‐‐僕の岩鎧に、叩きつけた。




 炎が岩鎧に叩きつけられ、強風によって大量の白い蒸気が発生して、周囲を真っ白い煙で覆っていた。


「……!? 仲間に炎を叩きつけるだなんて、正気じゃないであリンス!

 けれども、どんなになろうとも、あちきの髪の毛は、身体は無敵であリンス!」


 先も見通せない白い蒸気の煙の中で、どこの方向からの攻撃があろうと対処できるように、ツカマルジョは自身の長い髪を蜘蛛の巣のように、広く、めぐらせる。

 防御の必要はない‐‐‐‐何故なら、"ツカマルジョは無敵の身体を手にいれたのだから"。


 ‐‐‐‐シュッ!


 そうしてどこから攻撃が来るかツカマルジョが警戒していると、後ろの方から物凄い勢いで自分に近づいてくる物体の存在を検知した。


「(ふふっ、無策で突っ込めば勝てるとでも? 捕まえて、返り討ちであリンス!)」


 自分の後ろから迫ってくる、人間。

 それをツカマルジョは髪の毛で受け止めて‐‐‐‐


「‐‐‐‐強制収容、であリンス!」


 ‐‐‐‐それを自分の髪の毛に収容した。



「(‐‐‐‐かかった!)」


 煙の中で良く分かっていないツカマルジョが、"あれ"を自分の髪の毛に収容したのを見て、僕は即座に自分に硬い岩を拳に纏わせて、それを掴んで煙の中を、ツカマルジョの方へ走っていく。


「馬鹿めであリンス! あちきはそれでは傷一つつけられん、であリンス!」

「どう、かなっ!」


 そして僕は、防ごうとも逃げようともしない彼女の身体に、思いっきり、フレアリオンに習ったあの一撃を、そのがら空きの腹に喰らわせてやった。




「‐‐‐‐ぐふふふえfhwふふえrwfふうぇhふぅえ!」


 言葉にならないような声と共に、何度も何度も岩だらけの洞窟を転がりまくるツカマルジョ。

 顔を何度も地面にぶつけ、最終的には真正面から壁にぶつかっていった。


 ……とっても痛そうだ。


「痛ぁぁぁぁぁぁ! すっごぉぉぉぉぉぉく痛いんであリンスぉ!?」

「だろうな、"効果切れ"だもんな」


 僕がそう言うと、まさかという形で顔色を真っ青に変えて、今さっき自身が捕らえたばかりの後ろ髪の檻を確認する。

 すると、そこには‐‐‐‐


「たすけてぇ、おいどんはナカマでごわすぅ~」

「ドルラドルラ!? なんでここに捕まっているであリンスか!」


 そう、後ろ髪の檻に居たのは‐‐‐‐"煙を岩に変える"隕石龍ドルラドルラと言う名の悪龍であった。


「あなたが香水をめちゃくちゃ漬けているのがきになって、そして考えたんだ」


 僕は結構自信満々な、得意げな様子で話しているけれども、実際はそうじゃない。

 "時間を稼いでくれ"とフレアリオンから言われたのでやっているが、僕個人としてはこれはあまり言いたいことではない。

 ----なにせ、これを考え出して、実際にそうである事を証明したのは、"あの父"なのだから。


「僕はツカマルジョと戦う前に、雲を岩に変えるという悪龍と戦った。そして、それを僕達の中で空を飛べるユカリが追って行って、事は済んだと思っていた。

 ……けれども、どうもそうじゃなかったみたい」


 そう、今回のツカマルジョとの戦いが面倒な事になったのは、ひとえにユカリのせいである。

 彼女が、"ごめんなさい、ドルラドルラを逃がしました!"と最初から報告していれば、こんなにややこしい話になっていなかったのに。


「雲を岩に変えたんだ、それを思えば香水から漂う香りを岩のように固い鎧に変える事も簡単で。

 それこそが、ツカマルジョ。あなたが余裕で受け止めた理由の正体。それさえ分かってしまえば、後は無効化する術を考えるだけ。そしてそれは、すぐに判明した」


 ご丁寧にも、自身で堂々と言っていたのだから。

 こちらとしては、ありがとうと言うしかないだろう。


「‐‐‐‐くそぉ! けれども、まだ人質ならぬ……いえ、龍質(りゅうじち)が居るであリンス! それさえあれば、あちきはまだ活躍できるであリンス!」

「……いや、それは無理だな。毛捕龍ツカマルジョよ」


 ぱしゅんっ、と風を切る音が聞こえたかと思うとそのままツカマルジョの方から、しゅる~っと、なにかが落ちる音が聞こえてくる。

 

「えっ、なにが起きたであリンス? ……あっ、あぁぁぁぁぁぁ~!」

「一つ言っておくが、私は火を司る火龍ではあるが、攻撃力が自慢ではない。私の自慢は‐‐‐‐」


 炎で出来た弓を構えたフレアリオンの胸元、大きなドラゴンの顔の瞳がしっかりと見開いていた。

 そして、ツカマルジョの足元には長い髪の毛、そして檻から出たユカリとエクレルの姿があった。


「‐‐‐‐正確性だ。私の正確性なら、髪の毛だけを撃ち落とすも簡単だ」

「龍質が……! 龍の人質がぁ! お、おのれぇ! こうなったらもう1回、捕まえるだけであリンス!」


 まだ斬られていない後ろ髪をうねうねと伸ばして、足元にいるユカリとエクレルの2人から捕まえようとするツカマルジョ。


「無駄だ、毛捕龍ツカマルジョ。そうだろう、スバル・フォーデン!」


 フレアリオンに力強くそう言われて、


「あぁ、そうだな」


 僕は、ツカマルジョの腹に、思いっきり石の拳を打ち込んでいた。



「~~~~っ! 髪は顔であリンスから、まずはヘア・リサーチであリンスよぉ~!」


 ぼんっ、と白い煙に包まれる。

 ぽとんっと、煙が晴れると見えてきたのは、2つ。毛が巻き付いている龍の卵と、壊れた虫かごが、ツカマルジョの身体の代わりに落ちていた。



「じゃあ、スバルくんの歓迎会を、今から始めたいと思いまぁす!」

「イッェ~ェイ! 盛り上がっていくよ、スーちゃん! みんな!」


 ツカマルジョを倒した僕達は、そのまま家へと戻る。それも駆け足で。

 どうも、昨日できなかった歓迎会とやらを開催する事になったので、急いで戻ってきたみたいなんだけれども。


「……フレアリオンさん、2人とも盛り上がってるな」

「あぁ、2人はそういうお祭り騒ぎが大好きな龍、だからな」


 歓迎を受ける主賓である僕はと言うと、フレアリオンさんと同じく困惑する方だった。

 僕はそもそも人付き合いが良い方ではないし、それにユカリとエクレルの2人があまりにもテンション高すぎで、逆にこちらはテンションがだだ下がり、というか。


「イッェ~ェイ! スーちゃん、フレーちゃん! 2人も盛り上がっていこうよぉ!

 歓迎会ってのは騒ぎ立てるのが本分、なんだからねっ!」

「エクレルちゃんの意見に同意します! さぁ、スバルくん! 主賓には特別なこれを差し上げますよっ!」


 ユカリはそう言って、僕の手にジュースを手渡す。

 ‐‐‐‐そう、あの【ディーディーレモン炭酸ハイパーDX】を。


 ……なに、これ。罰ゲームかなにか?


「……そうだ、風龍ユカリ。お前には1つ、どうしても問いたださなければならないことがある」

「えっと、フレアリオンさん? どうして私の頭を、ガシッと掴んでるんですか? いっ、痛いんですけど!」


 ガシッ、とフレアリオンはユカリの頭を掴んだ状態で、そのまま部屋の奥の方に連れていく。


「お前には、ちゃんと注意しておかないとならない。今回はお前が、岩を司る岩龍から生み出された隕石龍ドルラドルラを倒していないことを報告していれば、もっと楽に戦えたのだから」

「え、えっと……あっ、あの時は、ドルラドルラを倒すよりも、スバルくんの所に行きたくて……そのぉ……えっと……」

「……ダメだ、お前は叱りつけておく」


 そう言って、フレアリオンとユカリの2人は家の奥へと行った。


「……とりあえず、スーちゃん。歓迎会の続き、しようか」

「……そう、だな」


 残された僕とエクレルの2人は、2人で寂しく歓迎会を続けたのであった。

 ……と言うか、僕って主賓のはず、だよね?



 スバル・フォーデン達が住んでいるレイク・ラックタウン、その隣にある港のそばの都市‐‐‐‐【ナイトレス・ハーバーシティ】。

 

 鮮やかなネオンの光が輝き、どこまでも高く高くそびえるビルが立ち並ぶ港都市。

 【不夜(ナイトレス)】を冠する、文字通りの意味で眠らない街であるこの都市の、とあるビルの屋上に1匹のドラゴンが迷い込んだ。


「ふぅ~、おいどん、にげきれたぁ~」


 風船のような身体の悪龍、隕石龍ドルラドルラである。

 ドルラドルラはツカマルジョが倒される瞬間、それによって発生した爆風に揺られて、天へと脱出したのである。


「ここまでにげればぁ、おいどん、だいじょうぶ、だよねぇ、でごわすぅ~?」


 ふぅ~、と休息のために一息つくドルラドルラ。

 風を操るユカリから逃げて、その後は香水という香りの煙を身に纏うツカマルジョの煙を石に変えて鎧に変えるというサポートをしていた。

 それもフレアリオン達に見つかって、ツカマルジョに捕まる(じょ)された訳だが。


 正直、ドルラドルラは、端からツカマルジョのサポートという立場に不満があった。

 サポートという立場では、仮にフレアリオン達を倒せても、幹部になれるほどの活躍を上げたと言えないから。


 ドルラドルラは、幹部になりたい。ちやほやされたい。自分の領地を持ちたい。

 だから誰かのサポートという立場が、自分が輝けないから不満だったのである。


 しかし、それも今日まで、だ。

 ツカマルジョが倒された、それによって幹部になるチャンスも訪れた。


 ドルラドルラは1枚の紙を取り出していた。

 ちなみにどこから取り出したかとかは野暮であり、いちいち指摘する事ではないだろう。


「【決行日(Xデー)は12月25日、マフデルタより】、でごわすねぇ」


 12月25日、地球一般ではクリスマスと称されるその日に、マフデルタは、悪龍のドラバニア・ファミリーは大きな作戦を行うらしい。

 つまりはその時まで、ドラバニア・ファミリーで大掛かりな作戦を行うことはない。


 確か今は5月だから、少なくとも12月まで7か月以上時間がある。


「クリスマスまでにおいどんがこうせき、あげたら、おいどんは、いっきに、幹部ぅ~! それをめざして、がんばるぅ~、でごわすっ!」


 ドルラドルラは風船から生まれたリュウシントであり、大きな風船状の龍みたいなバカみたいな姿をしているけれども、岩を操って硬い岩の性質を持つ悪龍である。

 フレアリオン率いるマヌスの連中も、自分の身体を貫けなかった。自分を止められる者は居ない、フレアリオンは素直にそう思った。


「まえにおこなおうとした、"雲を岩に変えて地球侵略作戦"をじっこう、でごわすぅ~!」


 ドルラドルラは1人で作戦を実行しようと、天空のどの雲を落とそうかと考えて‐‐‐‐


「‐‐‐‐えっ?」


 ‐‐‐‐その身体を、ぴっかぴかに光る木の球が貫いていた。


「……え? おいどん、なんで、やられてる、でごわす?」


 そうして、ドルラドルラは誰にやられたかも分からないまま、そのまま爆散した。

 白い煙で辺りが覆われて、その後、茶色い卵が落ちていた。




「卵……また、このタイプの怪人ですか。これで5人目、ですね」


 かんかんっ、と特徴的な木の音が聞こえてくると共に、1人の少女がドルラドルラの卵のところに現れた。

 

 猫耳がついたフードを取って現れたのは、くすみがかった灰色のツインテールヘアーが特徴の少女。

 右手に古代の雰囲気感を漂わせている緑色の宝石がついた指輪を付けており、着ている黒いコートの背中には【ワンダーフォース】と書かれていた。


「それにしても、12月25日に大規模な作戦ですか。

 ……これは一度、事態の把握のためにもあちらに出向くしかないですね。世界を守るためにも」


 彼女は、隣町‐‐‐‐この風船の龍がやってきたレイク・ラックタウンの方に目を向けていた。


「まずはあちらで、世界を守っている集団を探しましょう。そのためにも、私が出向きましょうか。

 ナイトレス・ハーバーシティが誇る、世界を守る異能力者集団。そのリーダーでもある【マイヨール・ロスチャイルド】が」


 そう言う彼女の手には、キラキラ輝く球のついたけん玉が握られていた。

【Tips】

〇協力プレイ

…1人では出来ないことも、2人以上で出来る事は存在する

 防御力に欠けるツカマルジョが、ドルラドルラの"煙を岩のように固くする"力を使い、香水で見えない鎧を生み出したことのように

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アルファポリスでも、連載中です cont_access.php?citi_cont_id=836368854&s
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