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魔王「その剣、ちょーだい」

魔王「その剣、ちょーだい」11



崩壊後の土煙 が辺りを覆いつくしている。



その為に、視界は白くぼんやりとしている。



吸い込むと身体に障るであろうと、急ごしらえの呪術で口元を、薄い呪力で纏った。



これが、マスクの役割をして、有害なものを身体に入れることを防げる。



――少々、息苦しいのが難点であるが。



感じるのは、剣の重みと、相対する彼女の呼吸。それが剣を通して、私に流れ込んでくる。




「随分なご挨拶だな、勇者」




彼女は、そう私に言った。




「仕方ないでしょ、もう剣は ”あの時” 振り終えていたんだから……ナノハがもうちょい気を効かせてくれたらね……」




「おや、調停者を名前で呼ぶとは……いつの間にそんなに親しくなったんだい?」




土煙は晴れてきて、彼女の姿が段々と鮮明に見えるようになってきた。



微笑んでいる彼女は、とても美しい。



これまでは、そう感じたことはなかった。



幼子に向けるような、一切の害をそこに感じない笑顔を彼女は浮かべている。



果たして彼女が、私の敵。人類の敵なのだろうか?



私は剣へと込めている力を徐々に抜き、最後には、剣を彼女から離し、鞘へと納めた。




「魔王様、聞きたいことがあるの」




「あら、調停者のことは名前で呼ぶのに、私の事は”魔王様”なんて他人行儀じゃないかい?」




「2年近くこうやって呼んでたんだから、もう慣れちゃったわよ。今更変えた方がおかしいでしょ」




今の彼女の姿はとても違和感がある。



ずっと、幼い姿の彼女と居たからだ。あっちに慣れてしまってる





「お母さんと貴女の関係について聞きたいの?」




「……”アーシャ” と、私か……」





彼女は顔を辛そうに歪ませた。



少し考え込むような仕草をした後、彼女は語り始めた。










魔王「その剣、ちょーだい」11 -終-




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