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なまどり裏話。第0.5話

これでなまどりを書く前までの裏話は終わり。

次からは各話の裏話になると思うけど、本編書き進めてからになるよ。

 数字を刻む。

 さて、前回と前々回でなまどりのベースとなってる世界観の話をした。

 ただまあ、この世界にはなまこもどりるもいなかった。

 どこからやつらがやってきたのかって話。



『ぎょーの異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めてなまこを愛するようになったか』



 いや、正直なところ、元々なまこに興味など無い。


 いま、「なまこ×どりる」の読者の大半が「えっ!?」といった気がする。


 というかね、なまこはわたしの人生に関わりのない生き物である。

 わたしは生まれも育ちも東京であり、なまこの住む海辺に住んでいる訳ではない。

 わたしの住むあたりでなまこを食する習慣は存在せず、スーパーの鮮魚コーナーになまこはいないのである。


 もちろん、幼い頃に海でなまこを見かけた事もある。でろーんとした彼らに触れたこともある。ただまあ、特に印象深い存在では無かった。うひゃあって感じ。うひゃあ、ぐにょぐにょしてる。



 少年時代の自分を回想してみて、一般的に気持ち悪がられる、「脚のない生き物」への忌避感は薄かったと思う。逆にムカデは嫌いである。ダンゴムシはひっくり返って無ければ好き。


 それを自覚したのは中学の時だ(高校かも?)。友人たちと目黒にある「寄生虫博物館」に行ったんですよ。きせいちゅう。

 ところで今浮かんだんですが、きせいちゅうって、

 kiss? えいっ chu-!と区切ると可愛くないですか。


 ……え?酔ってませんよ?


 最近は寄生虫博物館もネットとかで広まって若者とか行くらしいですが、20年以上前?やべえな。当時はガラガラでした。

 そこで、ホルマリン付けの寄生虫、……ひらがなにしよう。

 きせいちゅうの標本とかきせいちゅうの症例のパネルとか展示されてるんですよね。

 あと、8m以上のさなだむしの標本と、その横に同じ長さの白い紐。長さを体感できるぞ!

 こんなのが尻の中から!うひい!

 あ、はい。続けます。


 でまあ、グロ注意!って感じのきせいちゅうたちを堪能した後、飯でも食いにいこうとなって、みんなで五反田にラーメン食べに行ったんですわ。


 さなだむしさんたちを見た後にラーメン。

 半分くらいはムリー!言う中、わたしは全然平気なタイプで、あ、この手の生き物いけるのかなっていう自覚を得た。


 この寄生虫博物館の初代館長、故人ではあるが凄い人である。

 彼の著作、わたしが読んだのはもう少し後にはなるが、


寄生虫館物語―可愛く奇妙な虫たちの暮らし(著者:亀谷了)


 素晴らしい。そもそも科学者でありながら文章が面白い。そしてどのページからも滲み出てくる寄生虫への愛。

 なまどり読んでても、みんなわたしがなまこ好きだなーと思うでしょ?その比じゃない。

 機会あればぜひ読んでみて欲しい。謎のレビューですね。



 次に高校時代、マンガを学校に持っていってたんだが(うちの学校、校則ゆるゆるなので)、わたしのロッカーは図書館と呼ばれていた。ロッカーにぎっしりマンガ詰まってて、貸し出ししてたので。ちなみにビックコミック系のマンガが多かった。

 まあ、そうしてると逆に友人も自分の持ってきて、貸してくれたりするようになるわけだ。

 その中に、


ゲノム(筆者:古賀亮一)


 というマンガがあった。エロマンガ雑誌掲載の非エロ、ギャグマンガ枠のマンガだ。

 あらすじは生物学研究所の所長(ポニテメガネ白衣女性)とその助手であるパクマン(緑色の丸っこい人型ロボ)、エルエル(金髪エルフ女子)が、毎回虫一種の生態を読者に伝える、今回はクモ、今回はハチみたいな感じ。

 そしてなぜかエルエルは毎回、その虫スーツのコスプレをしながら説明するという謎設定だ。

 まあ、人を選ぶが、わたしにはとてもウケた。大学時代には自分も単行本持ってた。

 話は各話独立なので、当たり回もそうでない回もあるが、ナマコ回とかナメクジ回は大好きなのである。

 そのナマコ回にナマコ神という存在が登場したのと、チンコのメタファーとしてのナマコが描かれていた。

 一応言っておくが、なまどりは全く以てその話などをパクってはいないぞ。読めば話も設定もまるで似てはいないので、パクリと言う奴はいないと思うが。

 ただまあ、なまこという存在が、わたしの心の深くに刻まれたと思っておくれ。



 でまあ、時は流れて大学生。例のTRPG卓ですよ。そこでのわたしの扱うキャラクターのイメージは?と卓の面子に聞いたとすると、1に出落ち、2にナイスガイと返ってくるだろう。

 腕が四本あるゲイバーのママ(殺し屋)とか、アルビノのカブトムシ(仙人)とか、シリンダー内の脳味噌(魔術師)とか。


 セブンフォートレスっていうコメディ寄りのファンタジーTRPGがあるんですが、そこでロングキャンペーンやることになりまして。確か3レベルスタートの45レベルくらいまでやったんですね(メビウスにて。異常な値です、セブンフォートレスかナイトウィザードの経験者がもしいて、どれほどか知りたければ感想欄にでも書いてくれれば語ります)。

 そのキャラ作成時にヒーラー/ディバインウォーリア(治癒魔法使い/神官戦士)で出自が異世界人でした。

 このゲーム、キャラクターを守護する属性があって、それによりキャラの能力や使える魔法が異なる世界なんですね。例えば炎属性だとパワーファイター、風属性だとスピード生かした盗賊的な。それを二種類選ぶんです。

 ヒーラーの適正高い組み合わせの中でも強いものに、海/闇という組み合わせがあり、それにしました。

 で、異世界人だし、この世界の神を信仰して無くてもいいかなと。んで、わたしは自分のキャラの性別は男女を交互に行うタイプで、今回は女。女神官です。

 はい、女神官が信仰する海で闇の神、どんなのがいいだろうか。

 まあ、普通ならポセイドンとかワダツミとかクトゥルフとかを信仰してるんじゃないかな。

 ただしプレイヤーは出落ちが好きなモノとする。

 ……なまこかな。えっ?


 地球(このゲームだとファージアース)の日本出身の女の子「七海」は、世をはかなんで海に身を投げたとき、哀れに思った「なまこ神」に拾われ、異世界に転移させられる。

 「なまこ神」によって、「ジル」という名前を与えられ、その加護によって治癒魔法の才が発現したのだ。


 的な感じの設定でした。なまこでさえなければ立派なヒロインな気がします。ええ、なまこでさえなければ。

 本名の七海は、七つの海という世界全ての海を表す用語ですね。有名なテーマでQueenやHelloweenの歌にもあります。


 で、そう設定したからにはなまこについて詳しくならねば。

 今はとんと行かなくなってしまったが、図書館には良く行っていた。そこでまたわたしは素晴らしい本と出会う事となる。


ナマコガイドブック(著者:本川達雄, 今岡亨, 楚山勇)


 である。

 この本もまた、なまこについて、分かりやすく、興味を持てるようになる素晴らしいテキストであった。

 会話形式でなまこの生態について書いてあるので非常に読みやすいですね。


 これを皮切りに、わたしはなまこやマイナー海産物の書籍を漁り、ネットの画像を漁り、海に行けばなまこを探すようになり、料理屋になまこがあれば率先して頼むようになったのである。


 

 つまりまあ纏めると、なまこに関しては好きになるような下地は元々あったが、ネタとして使ったのが先であり、好きになったのはその後に興味を持ち、調べてからというところですね。



 さて、このジルというキャラクター、レベルを見ても40回以上セッションで使っている訳ですからとても愛着がある。

 宙に浮くなまこを連れた女の子のデザインがここにあります。

 ただ、ジルはヒーラーです。補助魔法の出力がバカ高いので自分にかければ理論上は個人でも戦えますが、戦闘スタイルとしては圧倒的な行動速度からパーティーにバフを大量にかけるというものです。

 なまどりのアレクサのような白兵戦闘メインの魔術師ではありません。



 では白兵戦要素はどこから?

 これが前話で書いた「王都の決闘士」の主人公ですね。

 文章化してたのにデータが吹っ飛んで日の目を見なかった不遇の主人公です。


 正直、補助魔法使いの主人公を書こうとするのは難しい。「ログ・ホライゾン」のような話もありますが、補助魔法で他人を強化する主人公を魅力的に書くのは難しいと考えています。

 少なくともわたしには筆者としてのレベルが足りない。


 自己完結できる戦闘スタイルとしてのアレクサの完成です。

 なろうのテンプレ嫌い、アンチテンプレな方でなまどりを読んでいる方もいるかと思います。

 でも、なまどりはテンプレ要素多いですよ?まず、なまこに目が行ってしまうから気付きづらいだろうし、そう見せないだけで。

 例えばアレクサは戦闘力としては基本的にチート主人公です。不得手な事はあっても、個人(+使い魔)で大体何でもできますからね。

 前回書きましたが、このSF世界はテンプレ的世界観を再現する事が可能であること。遠未来地球ということを示唆しなければ単純にテンプレファンタジー世界として使うことが可能です。

 婚約破棄ネタも入れました。

 ただまあ、書き方ですよね。アレクサ、例えば訓練してることをちょこちょこ示唆してるし、チート感は薄いかなと。婚約破棄も、変則的な入り方してるからテンプレ感薄めと思ってますがどうでしょう。



 最後、どりるか。

「萌キャラ100ランキング~10年くらい前に使ってたノーパソからデータサルベージしたら、割と懐かしいんだが悶えるものが出てきた週末」という酷いタイトル(仕様)のエッセイ以前書いており、そちら見てきて貰えればわかりますが、金髪大好きです。

 別にわざわざ見に行かなくてもいいですが、書いてあることを2行で纏めれば、


 きんぱつかー!ぎんぱつのー!

 じょせいかー!しょたきゃらが-!すきー!


 死にたい。

 まあ、いいんだけどさ。

 ジルは日本人の転生者設定だから黒髪だったけど、今回はヒロインを金髪に。

 髪型はリアルだとショートも好きだけど、二次だとだいたいロングが好きかなー。



 ちょっと話変わって、この世界観のタイトル仮称は「王都の決闘士」みたいに〇〇の△△みたいな形になってて、舞台+職業的な感じにしてたんです。

 TCG、「モンスター・コレクション」のサプリメントやノベライズタイトルみたいな感じを意識してたと思う。


 とは言え、これ割と古典的というか、格好いい系のタイトルじゃないですか。これでなまこ連れた主人公って噛み合わなくない?



 で、どーしようかなと。この段階で、タイトルを出オチっぽくしたかったんです。

 とりあえずなまこって言葉をこういった文章で見るだけで違和感あるじゃないですか。え?ファンタジーでなまこ?的な。

 で、なまこに何か言葉くっつけるとそれだけで面白い。


 なまこスープレックス!とか、なまこドロップ!とか、なまこブリーカー!とか口にするだけで楽しい。


 でまあ、タイトルに「なまこ」と入れたかった。なまこは主人公の片割れだからヒロインの方も入れたいじゃないですか。

 なまこ+令嬢、魔女、召喚師……。ぱっと来なくて。

 なまこと対等な形にしたかったから3文字だなと。んで、なまこも普通はナマコと書くところを敢えてなまこと平仮名にしているのだし、カタカナ3文字の言葉でヒロインを表現してそれを平仮名にしようと思った。


 で、ふとドリルという言葉が降りてきたんですよね。

 ドリル!ドリルヘアー!縦ロール!なまこどりる!なまこ×どりる!的な感じでテンション上がりましたわ。

 ヒロインの外見が決まった瞬間である。



 後は細かいところを妄想しつつ、脳内に放置だ。

 5年くらい。

 そうすると、


ξ゜⊿゜)ξ<わたしをここから出しますの!


 とか言うようになるので、こうして投稿してるんだよ。っていう話。


 いやあ、長い話になった。

 アレクサもクロも、この世界観も、こうしてずっと脳内にいる子たちだから、本当に愛してる。

 なかなか筆の進まない作者だけどさ。ちゃんと、うまく書いてやりてえ、書ききりてえなとは思ってるんだよ。

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i521206
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[一言] 寄生虫館物語持ってます。
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