第11章蛙と金策
宴から一夜。
私は朝からお義兄ちゃんの説教を聞いていた。
「良いですか悠基様。百歩譲ってお祭りをするのは良しとしましょう。ですが無駄な出費が多すぎます。祭で国家が破綻してはどうしようもないではありませんか。」
はあー。
本当に格好いいな。
こんなみみっちいことを言って格好いいのは世界でお義兄ちゃんだけだと思う。
するとお義兄ちゃんは怒った様子で言った。
「陛下。話を聞いておられるのですか」
私は笑顔で言った。
「聞いていないぞ。そして聞く気もない。でも気にしないでくれ。こうしてお義兄ちゃんと見つめ合ってその声を聞いているだけで私は幸せなのだからな」
お義兄ちゃんは少し困った様子で言った。
「悠基様が嬉しいことは私も嬉しいのですが、話は聞いて頂かないと。」
私は堂々と言った。
「はっきり言う。私は節制が大嫌いだ。」
議論が平行線をたどり、部屋の奥で静かに話を聞いていた悠々と雪女衣が身を寄せあって眠り始めたころ、勢いよく楊ちゃんが部屋に入ってきた。
「驚きなさい。なんと蛙さんが祭りに参加してくださるそうよ。」
楊ちゃんがそう言うと手のひらの青蛙をしめした。青蛙は小さな杖をついていた。
私達が驚いて黙ると青蛙が偉そうな態度で言った。
「当たり前や。こんな景気のええ話聞いたことないわ。わしが参加せえへんかったら青蛙の名が廃るわ」
それを聞いて私は言った。
「素晴らしい。まさしく祭りにぴったりな怪異だな。」
お義兄ちゃんは言った。
「悠基様。すみません。この怪異はどの様な怪異なのですか?見たところ、一般人にも見えそうですし強力な怪異である感じはしますが。」
すると青蛙は手で頭を抱えて言った。
「兄ちゃん。冗談きついわ。わいを知らんとか、無知では済まされない実態やで。」
お義兄ちゃんは青蛙の言葉に少し焦った様子で言った。
「悠基様。この蛙はそんなに凄い蛙なのですか?」
私は言った。
「まあそこそこかな。青蛙神と言って金運を司る怪異だよ。」
その言葉を聞いてお義兄ちゃんは納得した様子で言った。
「青蛙神ですか。覚えておきます。」
私は言った。
「青蛙。ちなみに、お金に困っているんだが何か手はないか?」
青蛙は言った。
「簡単や。商人から取ればええ。わいに任しときや。商人連中を説得したるわ。」
なる程。
商人か。
お金も持っていそうだし確かに名案かもしれない。
そして、私は、商人達を集めて話し合いの席を設けることにしたのだった。




