第25章楊玉環と李憲
楊玉環と悠基はしばらく抱きしめあった後、二人で屋敷を出てきた。
屋敷の外では李憲が高力士と話しながら待っていた。
李憲は二人を見ると言った。
「全て円満に終わったようでなによりです。高力士に言って、馬車の手配をさせました。帰りは馬車で帰ってください。私は先に馬で帰ります。」
楊玉環は李憲に不満げな様子で言った。
「余裕そうな様子が気に食わないけど、今回はお礼を言っておくわ。そしてごめんなさい。」
楊玉環の言葉に李憲は冷静な様子で言った。
「別にあなたのためではないので気になさらないで結構です。」
楊玉環は李憲の言葉にためいきをついた。
「はあ。こっちが真面目に言って損したわ。」
李憲は言った。
「帰ってきたら覚悟しておきなさい。高力士からの話であなたには生活力が欠けていることが分かりました。次にいつ野良になっても良いように、自分の世話くらい自分でできるようになってもらいますからね。」
楊玉環は言った。
「野良と言う言い方は止めてもらえるかしら。あと私はお姫様なの。生活力はあっちゃいけないのよ」
李憲は何も言わず、楊玉環に右手を差し出した。
楊玉環もまたなにも言わず、李憲の右手を握ったのだった。




