表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大切なお義兄ちゃんを守るために皇帝になりました  作者: 米田薫
第4編皇帝陛下と楊玉環
69/91

第22章お節介狐と契約者

それからというもの、楊玉環は悠基の下へ度々訪れるようになった。

二人は、下らない話しから、食事、おしゃれの話、恋の話まで様々な話をした。


そんなある日、楊玉環が悠基の部屋に入ると驚いた表情をうかべた。

悠基が涙を流していたからである。


楊玉環は言った。

「悠基。どうしたのよ。何かつらい事でもあったの。」


悠基は楊玉環を見つけると言った。

「楊ちゃん。お義兄ちゃんが。お義兄ちゃんが。殺されちゃうよ。」


楊玉環は驚いて言った。

「どういう事?」


悠基は言った。

「分かんない。でも、殺されるみたい。それが嫌だったら、宮廷まで出て来いってお母さんが言ってる。」


楊玉環は言った。

「まだ、殺されたわけじゃないのね。」


悠基は楊玉環の言葉に再び涙を浮かべた。

「無理だよ。お母さんは私の命乞いを受け入れるほど甘い考えはしてない。どうせ、私を罠にはめようとしているだけ」


そして怒鳴るような声で楊玉環に言った。

「どうして?私はこれまで良い子にしてきたよ。真面目に生きてきたよ。そうすればきっと報われるって。私も幸せになれるかもしれないって。ようやく思えたのに。どうして、こんな目に遭うの。私が何をしたっていうのよ。」


楊玉環は人間の姿に変わると悠基を強く抱きしめた。

そして言った。

「悠基。あなたはきっと幸せになれる。それは私が保証するわ。でもね。今のままじゃ駄目。良い。世の中は真面目に生きてきたものが、全て報われるほど甘くはないわ。でも、真っ直ぐ生きてきた人が少しだけわがままを言ったとき、それをかなえたいと思う人はこの世界に沢山居るはずよ。私みたいにね。」


悠基は楊玉環の言葉に何かを感じたようだった。

そして言った。

「楊ちゃん。私ね。力が欲しい。私や私の大切な人を虐げる者たちから、守る事が出来る力が。」


その言葉に楊玉環は言った。

「いいわ。与えましょう。私と契約しなさい。私の力のすべてをあなたに与えるわ。」


その言葉に悠基は言った。

「ありがとう。楊ちゃんにだったら何をあげても良いよ。代償に私のすべてをあげる。」


しかし、楊玉環は首を横に振った。

「いらないわよ。言ったでしょ。自分を大切にしなさいと。私ごときの契約じゃ、あなたとは全くつりあわないわ。」


悠基は言った。

「何が欲しいの?」


楊玉環が言った。

「そうね。まず、ライチよ。私に定期的にライチを届けなさい。あと、私の尻尾の手入れも必須ね。それに、私を放っておいては駄目よ。私が遊びたいといったら一緒に遊びなさい。辛気臭いのも駄目よ。毎日楽しそうに生きなさい」


悠基は涙を流して言った。

「何それ。そんな条件で契約する怪異なんて聞いた事ないよ」


楊玉環は笑って言った。

「当然よ。私はその辺の並みの怪異とはものが違うもの。」


こうして楊玉環と悠基は契約を結んだのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ