第13章雪女衣と暖かな日々
ある日、雪女衣が高力士との鍛錬を終えて、部屋に戻ってくると誰も居なかった。
(陛下はお仕事ですかね。悠々さんは昼のお散歩でしょうか)
そして雪女衣は自分の寝床に向かった。
悠々の横にある雪女衣の寝床である。
雪女衣にとっては悠々から与えられた自分の居場所であり、唯一安心できる場所だった。
(少し時間がありますし、復習をしましょう。)
雪女衣は寝床に着くと仕舞ってある本をくちばしで器用に取り出した。
そこには、悠々が書いた李憲の講義の内容の覚書だった。
雪女衣は本を開き内容を読み始めた。
(何度も読んでいますが、読むたびに学びがありますね。それに何だか励まされる気もします。)
そこでふと、雪女衣は何時もよりも勉強がはかどっている事に気付いた。
(何時もは読んでいると、陛下や楊玉環様にからかわれたり、悠々様に邪魔されたりして勉強が進まないのですよね。それがなくてもこの部屋は何時も騒がしいですし)
雪女衣はそんな事を考えていると無性に頭の中が、悠々達の事で一杯になった。
雪女衣は思った。
(何だか。寂しいですね。)
雪女衣はそこで、自分の寂しいという感情が凄く珍しいものである事に気付いた。
(そういえば昔はずっと一人でしたし、その頃は寂しさを感じた事もありませんでした。それが今ではほんの少しの間、皆様に会えないだけでこれ程寂しい気持ちになるのですね。
私も贅沢になったものです。これも悠基様がこういう温かい場所を与えてくれたお陰ですね。)
そして雪女衣は疲労が溜まっていたため、気絶するかの様に眠りに付いたのだった。




