月と星と海のあいだに
わたしの頬をつたう涙の前に早く
流れ星が訪れてくれることを願った
この涙を
あなたに見られるのは恥かしいから
二人にとって、この場所は
まったく知らない場所で
遠くに見えるのは行き交う船の小さな灯り
思ったより風が強くて
最初はとまどったけど
手を握り返す
あなたのあたたかさで落ち着いた
今日この場所に来た意味をわたしは確認したかったけど
それも必要なくなった
さっきまで雲にかくれていた月が顔を出してきて
星と海のあいだに入ってくる
まるで舞台の上に立つ役者たちのように
誰もが主役の座をつかもうと
観客であるわたしたちに必死にアピールしているよう
この空をひとりじめできるくらいの勇気があれば
わたしは照れないでいるけど
二人にとって、この場所はもったいないくらいのもの
今のわたしの瞳に
この月と星と海のような輝きは
少ないのかもしれないけど
今夜は特別な日
わたしはこの日を忘れない
あなたがプロポーズをしてくれたあとに流す
最初の涙を