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幼少時代と誕生日

捻くれ者の少年、緋月の明かされる悲しい過去――

優しすぎて歪んでしまった少年が過去について思い出しているもの。

緋月は子供時代、臆病で引っ込み思案な子供だった。


季羽緋月きはね ひづきは両親と年の離れた兄、夏樹、

体が弱く入退院を繰り返す双子の妹、柚月ゆづきと暮らしていた。



小さい頃、緋月は寂しかったのを覚えている。

年の離れた兄は学校で部活や生徒会役員をやっていたので、帰りは遅く、

休日もよく学校に行っていた。しかし、何もない休みの日には

年の離れた弟妹を甘やかすかのようによく遊んでくれた。


体が弱く入退院を繰り返す柚月に付きっきりの両親。いつも背中ばかり見ていた。

「いい子にしててね」「柚月は体が弱いの」

その言葉たちは、緋月に”寂しい”と言うのを封じていった。


誰にも言えなかった。「寂しい」と言えば、

大好きな兄や忙しい両親を困らせるのが分かっていたから。


幼稚園の運動会にも、小学校の運動会、授業参観にも両親が来ることは無かった。

兄は学校が休みの時には都合をつけて、運動会や授業参観にも来てくれた。


誕生日、両親は柚月に付きっ切りだったが、

兄はお小遣いで買った小さなケーキとプレゼントで2人きりでお祝いしてくれた。

中学生だった当時、お小遣いなんてそんなになかっただろうに、

兄は貯めたお小遣いで年の離れた弟妹にプレゼントを買ってくれた。



そして、悪夢のような7回目の誕生日を迎える――

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