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平凡な俺が前途有望な訳あるか‼︎  作者: 焔猫
第一章 異世界
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第八話 営業スマイル

「おーい、シンヤー!ルミー!買い出し行ってきてくれないかー?」


 師匠からの呼び出しが掛かった。読んでいた本を閉じて師匠の所へ行った。


「いつもの書籍屋(しょせきや)で本貰ってくれば良いんですよね?」


 こうやって呼び出しては大体書籍の類を貰いに行って来いと言うのだ。

 だから余り村の中心部へ向かうことは無いから楽だ。


「いや、今回は違う」


 ルミも本題に入る前に来た。


「ルミも聞いておいてくれ。今回は村の中心部の方へ行ってきて欲しい。大分ストックが無くなったので、買ってきて欲しい。必要な物は紙に書いといたから頼んだよ」


「師匠は行かないのですか?」


 良く思うのだが、師匠は余り家から出ないのだ。いわゆる自宅警備員では無いのだろうが、かなり少ないのだ。


「んー...ああ、そうだな。今やってる事が全部...全部終わったら一緒に行くか」


 少し困った様に笑う師匠。まあ、言いたくないことは誰にでもあるし聞かないで置こう。


「これだけあれば充分だよな」


「え?」


 俺の手の上に置かれたのは透度の高い石がごっそり袋の中に入っていた。多分ルビーやサファイア、水晶の類いだろうか?

 因みに金やプラチナだろう物はこっちでは希少価値が全くなく、食器類に使われていたりする。


「師匠!買いたい物があったら買って良いですか?これだけあれば充分過ぎるぐらいですし」


 目をキラキラさせて訊ねるルミ。何だか微笑ましかった。


「ああ、もちろんだ。ちゃんと交渉して安く買うんだぞ?」


「やった!シンヤ早く行こう!」


「はいはい、今行くから待ってろ」


 特に肌寒いわけではないが、良く使う上着を着ながら玄関へ向かった。


*歩くこと20分*


「近所よりも沢山店があるんだなー」


 歩いて20分ぐらいで村の中心部へ着いた。

家や店の作りこそ簡単ではあるものの、村の中心部は活気と賑わいがあった。


「まあ、師匠の家は村の外れだから仕方ないんじゃないかな?それよりさっさと買うもの買っておこうよ!」


「そーだな。ルミは見て周りたいんだろ?さっきから顔に書いてあるぞ?」


「べ、別にそんなことないよ!ほ、ほら、えーと中心部の方までなかなか行かないからだよ!」


 嘘付けてないし、素直じゃない所...昔と変わらないなーなんて思った。


「わかったから。で、何から買えばいいの?」


「うーん、まずは薬類から買ってってその次に食べ物。後は魔物の解体書?」


「何でそれ、必要なんだ?」


「うーん...何でなんだろう?」


「さあ?」


 二人で首を傾げていたが、結局はわからなかったのでとりあえずお使いを済ますことにした。



「ねえ、お兄さん。もう少し割り引いてくれませんか?私、余りお金を持って来ていないもので...」


 見ていて少し、いや凄く驚いた。色々な店を見て周ってから物の定価を知ってから更に引きに掛かってる...のは素直に凄いと思うけど、キャラ変わり過ぎだろ...!


「はい!また今度来ますね、お兄さん!」


 あれが属にいう営業スマイルという奴か...


「シンヤー?何ボケーっとしてるの?」


「ん?ああ、営業スマイル凄いなと思って」


「でもあんまり好きじゃないんだよね。顔が筋肉痛になりそうだし、キラキラした笑顔(営業スマイル)振りまくの嫌い...」


 確かに元の世界の瑠美もそんな様なこと言ってたっけかな?何処の世界行ってもルミはルミなのかも知れないと思った。


「それに...」


 それに?


「わかってくれる人以外には気軽に笑えないし」


 あはははと笑いだすルミ。良くはわからないけど、さっきの男性定員さんに向けてた微笑み方よりも自然に笑っているこっちの方がルミらしくて良いと思った。


「ま、シンヤはこれ位じゃわからないか」


「何がー??」


 何か意味深?


「なんでもーそれより後何が残ってるの?」


 と言われ紙を見る。後は用途のよくわからない魔物の解体書の本だけだ。


「後は本だけだな。書籍屋わかるか?」


「うん、わかるよ。向こうの通りに大きいのがあるよ。」


 と言うことで本を買いに


「うわっ、凄いな」


 店に入ってから驚かされた。壁は一面本でぎっしり埋め尽くされ、更には天井にも本がびっしりだった。圧巻と言う言葉がピッタリだ。


「ここら辺の村の中なら最大だからねー。でも流石に王国とか国レベルになると倍近くになるらしいよ。」


「これの倍か...想像つかないな。」


「ふふふ、私も。あ、この本良いな!」



 さて、俺も本を見て周ろうかなと、近くにあった本を引き出す。『権力者の欲に押し潰された悲しき貴族』

 何処の世界にも争いはあるんだなと実感させられた。少しなら読んでも良いよな?


 彼等は民を好んだ。また、民も彼等を好んだ。何事も穏やかに極めて平和的に物事を収めていた貴族がいた。

 名をエルグトと言った。勿論人間であり、エルグドという名字を持っている。


 ー成り立ちー

 エルグド貴族は元々は小さな村のリーダーであったそうだ。

 村の決まりや食物倉庫などを積極性に取り決め実行して行った...と言っても今よりもずっと簡単なものだったらしいが...その村が段々発展して行き気が付けばいつの間にかに貴族と言う括りに成っていった。

 しかし、貴族と言われる様に成っても本質的な所は変わらず村の子供達と仲良く遊ぶ貴族の子供や村の更なる発展の為に駆けずり回る貴族の姿が見れたのだとか。


 ー髪についてー

 エルグト貴族は血族全体が貴族であり、その様な貴族は少なかった。更に言うとこの血族は特殊な髪をしていた。深緑色の髪を持って産まれ、およそ20歳を過ぎると髪がだんだ白くなるのだ。どういう仕組みなのかはわかっていない。エルグド貴族は別段髪のことを気にせず「髪の色何て人それぞれだろう?」と言っていたらしい。


 ー崩壊ー

 しかし、大きな力を持ち民の支持を受けていた彼等は、王族と一部の貴族から反感を受けていた。

 100年以上続いていたエルグト貴族はだった数日で壊滅させられた。下の絵はレイヤとシャールによって提供されたものである。

 この中にはエルグド・アリスが自分の付き人、詰まりメイドにナイフを突き刺して殺しているものがある。


 ーエルグド・アリスー

 エルグド・アリスは当時5歳であったが、才能に溢れナイフ術をマスターし、更には人体の構造を完璧に把握していたという。

 おそらく彼女がエルグド貴族を裏切り、王族や一部の貴族に情報を流したのであろうと言われている。


 興味を惹かれて読み始めたが、思っていた以上に重い内容だったため途中で綴じた。それにしてもエルグド・アリスという人は凄いのだなと感心していた。確かに貴族なら普通の人よりも色々優れるものなのだろうが、5歳でナイフ術マスターして人間の構造を把握していたって...

 綴じたもののやはり続きが気になるので買うことにした。


 そういえばルミは良い本は見つけたのだろうか?

最近全然更新できず、すみませんでした!

次回こそは早めに更新できる様にします!

こんな未熟者の小説を読んで下さった読者様ありがとうございます!

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