第四話 お昼ご飯?
体が石像になりそうだ。ルミが魔法に集中してるので退屈だし、師匠はルミが魔法を練習しているので「私が用意する!」と言っていたのでおそらく料理中だろう。
どうやら長時間続けて魔法を使う練習らしいので先ほど本を (勝手に) 借りてきた本を読んでいたが、とてつもなく長い。が、一応読み終えた。40分くらい掛かっただろうか?
続いて二冊目を読んでいると、違和感を感じた。何が変なのだろうか?
しばらくして、やっと気が付いた。さっきから吹いている風だ、わかり易く言うと風量だろうか?ルミの方へ向かっている風だ。更に言うと、弱くなっているのでは無い。
全く逆だ、強くなっているのだ。
ジャリッと足音がしたので振り返ると師匠がいた。
「あ、師匠作り終わったんですか?」
「当たり前だ。ちゃんと火も消して来た」
抜かりが無い様で安心しましたなんて思ってない。
ん?師匠の方から何か飛んで行ったような?と見ていると
「うわあああぁぁぁ!!びっくりしたぁ!」
と、いきなり言った。俺はルミの反応に驚いた。
「ルミーどうしたんだー?」
「いきなり声掛けられて驚いただけー」
「なんて言われたの?」
「『ご飯食べるぞー!』って言われたー」
「それ、師匠の声真似?似てるー!」
「でしよ?!」
と、中身の無い会話をしながら家を入って行った。
この時、俺は知らなかった。真の恐怖というものを.........。
「師匠......これは.........何でしょうか?」
「?獅子の肉と調味料等と海獣の卵、更に隠し味として、羊のミルクを使ったものだが、何か変なことでも?」
いやいやこんなゲテモノを作れるのだろうか?普通に作ればこうはならないだろう。
だって、普通に作れば決して発光することは無いだろう。それに羊のミルクってもあれ、元々腐ってるし、キッチンにあった調味料の袋一つぺっしゃんこになってるんだけど?
隣のルミを見ると顔面蒼白だった。可哀想だな。あ、俺もだ←
「シンヤ?先に食べて感想聞かせてよ」
「俺を生贄にする気か?」
「うん!私死にたく無いもん」
「だからって俺を殺すなよ」
「じゃあ、責めて一緒に逝こう?」
「............そう.....だな...............」
そして俺たちはゲテモノを口へと運び重くなった瞼を閉じた。
余談になるが、この後二人して気絶し、師匠に回復を掛けて貰って命こそ助かったものの、一週間ぐらい腹痛が治らないという悲劇に見舞われた。
そして俺は、心に決めた。師匠に台所には立たせないと。
更新が遅くなったり、早くなったりと大変申し訳無いです。
ここまで駄作者に付き合って下さる神様方頂きありがとうございます。
次話も頑張りますので、どうぞよろしくお願い申します