みざちゃんがお帰りになるそうです(最終回)
みざちゃんは人参が食べられません。
煮ても焼いても生でも蒸しても凍らせても細かく刻んで何かに混ぜて無理らしいです
「よっしゃ、次も頑張るぞー」
少女は席をたって一服した後、元気よく椅子に座りなおした。
だが、時計を見て、眼の色を変えた。
「って、もうちょっとで待ち合わせの時間じゃん!すまん、私帰るわ」
「えっ?」
借金持ちが素っ頓狂な声を上げた。
「いや、最初に私言ったじゃん。数時間どこかで暇を潰さなきゃならないって」
「そうか、まぁ、帰ってくれるならこっちとしてもありがたい。今度は気をつけろよ」
スーツ男は、少女に帰るように促す。
うるせーと小言を垂れながら、少女は立てかけた日傘を抱え、出て行こうとする。
だが、借金持ちは必死になって少女を引き止めようとした。
「しょうがないな・・・」
嫌そうな顔をしながら、少女は足にしがみ付いた男を払いのける。
「じゃあこのみざちゃんが、幸薄いあんたでも勝てるように配牌におまじないをかけてあげる。」
そう笑顔で言うと、少女は卓へ手をかざし、ニンジン滅びろと呟きだした。
「あ、やっべ。もう走らなきゃ間に合わないじゃん。じゃーな」
10回ほど繰り返した後、少女は勢いよくドアを開けて外へと駆け出していった。
「じゃ、はじめようか。あんたの親からだぜ」
スーツ男は歪んだ笑みを見せながら男に言う。
おそらく、借金持ちになら勝てると確信しているのだろう。
男は半ば諦めた様子で手牌を開いた。
突如男の目が変わった。
「あ、アガってる・・・」
驚きを含んだ声で、男は手牌を開いた。
理牌をしていない九蓮宝燈が颯爽と明かりに照らされていた。




