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番外編、つづきのはなし

お久しぶりで申し訳ありません! 下ネタが入る番外編です。ご注意ください。

 

「にしても、殺すとか殺されたやらよくそんな神の名前を名字にできますね……。」


 大体神の名前を名字にすること自体本来おこがましいことではないのだろうか。エスラは熱心な宗教徒ではないので口ははさまなかったが。


「それだけ魔術には力がありますから。まぁ、名字に関しては単なる両家の意地の張り合いなんでどうともいえませんが」


 どれだけ強いかに固執するクロノスとゼウス。何に関しても負けたくはなかったようだ。自分たちの名字を神の名前にするくらいには。


 やれやれと言った様子でエドウィンは首を振った。


「幼い子供にまで敵対心を植え付けるなんて恐ろしい家系だな」


 ストロジアがそうであったように家系の誇りのために幼子にまで教えつける。クロノスが、もしくはゼウスが劣っているのだと、弱いのだと。それは教育なんて生易しいものではなく、一種の洗脳の類いだったのだろう。エスラはストロジアのことを少し不憫に思った。


「まぁ、魔術師の家系限ったことではないですけどね」


 そう言ったアーノルドの声は憂いを帯びたようなもの悲しげなものだった。その様子に首をかしげたくなったけれど、あまり触れてほしくないところなのだと思い、考えるのをやめた。

 ふと、思い出したような笑みがアーノルドの口元に浮かんだ。


「そういえば、ハガードさんが話してくれたギリシャ神話、ウラノスのくだり詳しく話していませんでしたね」


 ……何故だろう、すごく聞きたくなくなってくるのは。横でエドウィンの顔がひきつっているのが見える。あまり感じのいい話ではなさそうだ。まぁ、先刻のグロい神話からして期待していないが。

 どうせなので、続きを促してみると、困った顔をした。アーノルドが、ではない、エドウィンが、である。なんだが気になったが、理由は聞かなかった。これが、あとで後悔する原因の一端だった。


「ウラノスはクロノスの父親だとは言いましたよね。で、クロノスの父たるウラノスはガイアという女神から生まれたんです」


「はぁ」


「ちなみにウラノスはその母たるガイアと子をなしたことで世界の支配者となるんですけどね」


「へぇぇぇ…、って、えぇ!?」


 母と子をなすって結構エグいことなんじゃないのか!? いや、でも所詮神話だからなんでもありなのか……?

 アーノルドはさも楽しげに話を続けた。


「それで、生まれた子供たちをウラノスはその醜悪さから幽閉します。そのことがガイアの怒りを買ってクロノスに倒されることになるのですが……」


「もういいんじゃないのか!? サーティス、お前ももう十分だろう?」


 なぜかわからないけれど、エドウィンさんが無性に焦っているようにみえた。なにか聞かせたくないことがあるような、そんな感じ。しかし、人間というのは不思議なもので、秘密にされればされるほど気になってしまうものだ。だから、私もそこで話を止めなかった。まぁ、後で止めなかったことに後悔したわけだが。

 そうして当然のようにエドウィンの静止を聞かなかったアーノルドが話を続けた。


「クロノスはガイアからわたされた大鎌でウラノスの男性根を切り落としたんです。で、撒き散らされた精子が下界に降り注ぎ、その精子が草花の元となったとか」


「…………」


 男性根ってつまりアレですよね。うん、アレ。

 そのとき、私のなかで全てが繋がった。エドウィンさんが焦ってたわけ、アーノルドさんがいつになくニヤニヤしてたわけ。中坊の下ネタ談義とさせて変わらない幼稚さですね、はい。


「……アーノルドさん」


 自分でも驚くくらい冷たい声が出た。アーノルドは弾かれたようにこちらを見た。


「そういう下らない話、二度と私の前で話さないでくださいね……?」


 後から聞いた話だが、その時の私の目はまるで腐った生ゴミを見るような目付きだったらしい。





本編は4月中に投稿する予定です。


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