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野球エッセイ

各国で導入され、プロ野球選手会がNPBに要望した「ピッチクロック」が導入されるとどうなるのか?

作者: 中将
掲載日:2026/07/30

筆者:

 本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。

 今回は普段の政治の話では無く「野球」について語っていこうと思います。


  日本プロ野球選手会の臨時大会が26年7月28日に東京都内で行われ、今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも採用された投球間隔制限「ピッチクロック」の来季からの導入をNPB(日本野球機構)に要望することを全会一致で決議しました。


 ではこのピッチクロックとはいったい何なのか? 野球は今後どのように変わるのか? について今回は語っていこうと思います。挿絵(By みてみん)



質問者:

 国際的な試合で行われる試合時間を短縮する取り組みで、早く投げなくていけないことだという事は知っているんですけど……。具体的にどうなるのかまでは分かりません……。挿絵(By みてみん)



筆者:

 今から僕が話すことはメジャーリーグで導入されている制度を前提で、細かいところは今後の話し合いなどで変わっていくかもしれない、という前提で今からお読みいただければと思います。


 ピッチクロックは、試合時間短縮のために大リーグでは2023年から採用されており、WBCもこのルールに準拠して実施される。投手は球を受けてから走者がいない場合は15秒以内、いる場合は18秒以内(初年度は20秒以内)で投球動作に入らなければならず、制限時間を超えたら1ボールが加えられるものです。


 ここまでについてはご存じの方が多いと思うんですけど、それに加えてキャッチャーも、制限時間が残り9秒になる前にキャッチャースボックスに入っていないと1ボールが加えられます。


 更に打者側についても残り8秒になるまでの間に打撃体制に移れていないとワンストライクが追加されるんです。


  これまでも野球規則では

「ランナーがいない時はボールを受け取ってから12秒以内に投球動作に入ること」が、NPBは「ボールを受け取ってから15秒以内に投球動作に移ること(15秒ルール)」を励行していたものの実質的に無視されており、40秒とかかけて1球を投げる投手が存在していたぐらいでした。


 上の状況の実効性を確保することが出来るようになることが期待されるんです。挿絵(By みてみん)



質問者:

 実はピッチクロックって投げるピッチャーだけでなく、キャッチャーや打者にも適用される内容なんですね……。


 というより、これまでも秒数の制限が「紳士協定」であったものの守られていないという感じだったんですね……。挿絵(By みてみん)



筆者:

 具体的にペナルティが無ければ中々こういうのって守られないという事ですね。


 このことによりアメリカのメジャーリーグでは2023年シーズンからピッチクロック制度が導入されたのですが、それまで3時間以上かかっていた平均試合時間が3年連続で2時間40分を切ったとのことのようで20分以上の時間短縮に成功しているようです。挿絵(By みてみん)


 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e43fa24c5557e47574bcef02c0861b664eda54aa



質問者:

 それだけ短縮されるのであれば有意義ですね。挿絵(By みてみん)



筆者:

 近年野球離れが進んでいる要因の一つとして、試合時間が長いことが挙げられていますからね。


 また、韓国や台湾のリーグでは既に採用されており、WBCなどの国際試合でも採用されているので、日本もこのまま採用しないままであれば国際試合でマイナスの影響が強まることが懸念されているんです


 今年のWBCで8強にとどまってしまった要因の一つではないかとも言われているんです。挿絵(By みてみん)



質問者:

 周りの国が導入しているのに日本だけが導入していないのであれば不利な状況になりかねないですからね……。選手会の皆さんもそう言った危機感からの提案という事でしょうね。挿絵(By みてみん)



◇ピッチクロックの影響



質問者:

 ピッチクロック制度が導入された場合、試合時間短縮以外に何か影響があるんでしょうか? 挿絵(By みてみん)



筆者:

 まずは盗塁数の増加です。

 ここも具体的な回数については議論の余地があるところだと思うんですけど、メジャーのルールでは牽制球やプレートを外す行為が3回目を超えると、ランナーなしなら1ボール、ランナーがいる場合は1ボールとランナーに進塁権が与えられるんです。


 事実上牽制が2回までしか出来なくなることから、メジャーでは盗塁企画数の分母が増え、成功率も5%ほど上昇したそうなんです。


 得点が入りやすくなるために沸く場面が増える一方で投手からしてみたら非常に苦しいことになると思います。


 当初懸念されていたようなピッチクロックと怪我の相関関係についてはMLBは認められないという見解を示しているようで、日本の選手会も国際試合のための導入のメリットを訴えているという事です。挿絵(By みてみん)



質問者:

 牽制されない、又はその回数が減ると分かればスタートを切るでしょうからランナー側が圧倒的に有利になりますね……。


 確かにそれを国際試合だけのためにいきなりやるのはペースが崩れそうですね……。挿絵(By みてみん)



筆者:

 足が速いランナーが出たら取り敢えずバッターは粘ることが非常に重要になるでしょうね。盗塁成功やピッチクロック違反の可能性も上がりますからね。


 つまり制限時間内で黙々と投球することになるので、同じテンポで投げることになるので打者側としても打ちやすくなると思います。挿絵(By みてみん)



質問者:

 そうなると、そもそもランナーを出さないことが非常に重要になりそうですね……。挿絵(By みてみん)



◇備品の導入が必須



筆者:

 さてここからはピッチクロック導入のために必須の道具について解説したいと思います。


 主に投げるまで時間がかかっている理由として、投手と捕手のサイン交換があります。このサイン交換のスピードを上げるためにメジャーで使われている機械が「ピッチコム」と呼ばれるものです。

 これについては選手会がピッチクロックと同じくして導入要望をしています。


 この記事https://www.yomiuri.co.jp/sports/wbc/20260228-GYT1T00170/ によりますと、


『捕手が利き腕と逆の腕や、すね当て(レガース)上部などにつけた発信器のボタンを押して球種やコースなどのサインを送り、投手や一部の野手は、帽子の内側などに装着した板状の受信機から音声で指示を受け取る仕組み』


 で伝達を迅速に行うそうです。


 当初は捕手のみが伝達するものでしたが、投手側から伝えることも可能になるそうです。


 このピッチコムと呼ばれる機械が無ければ投手側・守備側にとって極めて厳しい立場に置かれることになると思います。挿絵(By みてみん)



質問者:

 確かに、サイン交換が上手くいかずに時間がかかっているケースと言うのはありますからね……。それが迅速に行われれば時間内に投球することも可能になりますね。挿絵(By みてみん)



筆者:

 また、ピッチクロックタイマーと呼ばれる数字だけが表示された大型LED表示盤が付けられます。


 審判員用レシーバー・秒数通知端末なども秒数をゼロに切り替えたりする際に必須になります。


 これらの機材を揃えるのにはお金がかかるのでプロ野球で導入するのには壁になっているのもあると思います。


 ただ、韓国や台湾ですら始まっているのに日本で始めないのは問題ですからね。

 この程度の壁は越えなくてはいけないと思います。

 何だかんだで世界大会で勝つことが最大の野球普及になると思いますからね。挿絵(By みてみん)



◇「間合い」が失われる可能性も



質問者:

 そうなると、投手と捕手のサイン伝達の問題さえ解消すれば基本的にはあまり問題が無いという事なのでしょうか? 挿絵(By みてみん)



筆者: 

 時短やコスパを考えると試合時間が短くなった方が嬉しいでしょうからね。

 若い方やこれまで野球を触れてこなかった方からすると参入障壁が下がると思います。


 ただ、「間合い」みたいなものは無くなるのかなと思います。

 大きなピンチやチャンスの場面を牽制やサインの交換を何度も行う事で「味わう」と言うことは出来なくなるかもしれないので、「これまでの野球を楽しい」と思っていた方はちょっと面白みが無くなってしまうかもしれないのかな? とも思います。挿絵(By みてみん)



質問者:

 確かにランナー無しの場面ではサクサクと進んで欲しいですけど、ランナーがいる場面でパッパと進んでいってしまうと没入感や緊張感が無くなってしまうかもしれませんね……。 挿絵(By みてみん)



筆者:

 そこらへんは捕手やベンチがタイムを取ることで緊張感を演出することは可能かもしれませんけどね。

 それでもこれまでのプロ野球に馴染んでいると当初戸惑うところはあるのかなと思いますね。


 僕も実を言うと「ピッチクロック隠れ反対派」なんですけど選手会で全会一致で決まったとなれば来年に実現するかまでは分かりませんが、近い将来実施される可能性は極めて高いと思います。

 「老害」にならないように早く対応していければなと思います(笑)。挿絵(By みてみん)


※流石に高校野球では機材を揃えるのが大変なためにピッチクロックは実施されないと思いますけどね。



◇野球の在り方は変わる



筆者:

 もう一つ今回の選手会の提案であったのはABSと省略される自動ボールストライク判定システム――いわゆる「ロボット審判」とも呼ばれるものです。


 球審の方も常に緊迫していなくてはならないために激務であるとは思うのですが、球や投げている投手によってストライクゾーンが異なったりすることがあるのは見ている側としては勘弁して欲しいなとは思います。


 そのために、球審などの負担軽減のためにもAIでストライクやボールをロボット審判が判定することには全面賛成と言う感じですね。


 メジャーリーグでは完全にロボット審判では無いものの選手によるチャレンジ権が2回ずつ失敗するまで権利が与えられます。


 しかし、今後はロボット審判が主導していく状況に変わっていくと思います。挿絵(By みてみん)



質問者:

 もしかしたら審判が球場に立たなくなる又はロボットの判定を人が宣告すると言った事が起きるかもしれないという事ですか……。挿絵(By みてみん)



筆者:

 どこかストライクかボールかという決まった枠組みにおいてはAIやロボットの方が判定が優れていますので、この点はストレスが大きく減るのかなとは思いますけど、これも慣れるまでは「違和感」みたいなものは出てくる方がいらっしゃるかもしれませんね。


 セリーグや高校野球のDH制導入 https://ncode.syosetu.com/n3110kw/ や 高校野球の7回制 https://ncode.syosetu.com/n9699ji/ の時にも話しましたが、世界の潮流や環境の変化によってルールと言うのは変化していきます。


 その波によっていろいろ今後も変わっていくのかなと思います。見ている側もこれに対応していかなくてはいけないのかなと思いますね。



 皆さんはこれらのルール変更についてどう思われましたか? ご意見・ご感想をお待ちしております。挿絵(By みてみん)


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