終わりと始まりの日2
教頭の説教を聞き流した2人は日がもう高くなってしまった街を歩く。
「あー終わった終わった。相変わらずうるさいジジイだ」
「教頭は間違ってないんだよなぁ」
「なんでぇ。お前はあのハゲの味方か?」
「そんなんじゃないっての」
いちいち細かくてうるさい思うが教頭の言うことはおおよそ間違ってはいなかった。問題があるのは信玄の方である。
ああして教頭に怒られるのも一度や二度じゃない。叔父が学校に行くたびにどやされるのが恒例だ。
サクの両親はサクが5歳の時に死んだ。
両親を失ったサクは叔父である信玄に引き取られ2人暮らしをしている。普通なら寂しいとか思うのが知れないが、サクとしては別にそんなもんだと思う。
だが信玄に振り回されるのは面倒だった。2、3日いなくなったり、先月頭には流血して帰ってきては3日ほど寝込んでいた。
一体何の仕事をしているのかサクは知らない。
小学生の時に親の仕事について調べる宿題が出た時には「くだらねえ雑用だよ」とすっぱり切り捨てられてその詳細は不明。
サクもそれ以上聞くつもりもないので信玄の言葉そのまま「くだらねえ雑用」と書いて提出。信玄共々学校に呼び出されたこともあったような気がする。
「卒業式も終わったことだ。寿司でも行くぞ」
「おー」
やる気のない掛け声を返しながらサクは信玄の隣を歩く。
寿司は2人の大好物。入学式が終わったら祝いに寿司。運動会が終わったらお疲れ様の意味で寿司。週末食事に困ったら寿司。
それぐらいには我が家に定着している外食だった。
というか、それ以外の外食に行くことがない。
このまま向かってもよかったが、早く制服を脱いで卒業証書やらアルバムやらをさっさと家の玄関に投げ出してしまいたかったのでまずは家に帰ることにした。




