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夏祭りの胸騒ぎ(6)

SFカテゴリーで『光と陰-織りなす夢に形』に、双子の美人をヒロインにして毎日投稿しています。

純文学のエッセイでも思ったことを随時投稿していますが、短編集も書いてみることにしました。

反応が強かった短編を長編にしていこうかなと思っています。これもまた宜しくお願い致します!


あれからクリスマスが過ぎて会社も年末の休暇に入った。

この会社は年末年始の連休が10日間あるのだ。

僕は例年通り冬場はイギリスまでのエアーが安いので、

10日間全てイギリスの彼女に会いに行くのに使っていた。

そして今年も例年通りとなった。


あれから一ノ瀬さんからは連絡が来なくなったのだ。

あの場を振り返ると・・・

『確かここから自宅が近いと言っていたよな!タクシー捕まえよう!』と思い、

必死に彼女を介抱しながら国道に出た。

「一ノ瀬さん、聞こえる?タクシー捕まえたからこれでおうちに帰りな!住所は?」

「・・・代々木3丁目です・・・」とぐったりとした声が聞こえたが意識はある。

「運転士さん、代々木上原3丁目までお願いします!」と送り出したのだった。


『あの日は元気が良かったのに、いきなりああなったから驚いたな!』

あれから大丈夫だったのかな?

連絡が来なくなったということは・・・

嫌われたかな?

それか醜態をされしたから恥ずかしい?

もしかして、あそこでラブホに行ってもらいたかった??

あれは演技?

いやいや、そんなことはない!


と一応は考えを巡らせてみたのだが・・・

やはり結論は出なかった。


まあ、僕としては紳士的にやれることはやったんだから負い目を感じることはないか!?

と考えないようにしていたのだった。

そうこうしているうちに新規ブランドの1号店のオープンが近づいてきた。

間に合わないことが多く、定時で帰れることは無くなっていた。


そして、本社に行った時にエレベーターホールでまた営業の長瀬さんに会った。

「忙しそうだね?」

「いやー大変ですよ!間に合わなくって」

「そういえば、年末のセルリアンに社長と営業本部長と出たんだって?」

「ああ、そうですね。新規ブランドだから挨拶しろってことで。」

「そうそう、そういえば、この前話していた秘書の一ノ瀬さ、色んな男と遊びまくってるらしいぞ。

お前にはお誘い来ないか?」

「来ませんね・・・」

「営業部の若手から聞いたんだけど、ああお堅く見えて誘うとすぐくるらしいぜ。あんな感じだと

若手の獲物になって奪い合いになっちゃうよなー 社長秘書なんだから、少しはわきまえないとヤバいよなー」

「へえー、彼女はそんな感じなんですか!? 社長どう思ってるんですかね?」

「隣が社長室だから、噂で伝わってきたんだけど、社長に怒られて自重しろ!って言われたらしいぜ。」

「ははは、それで落ち着いたんだったらいいんじゃないですか。」

「長瀬さんは狙わないんですか?」

「俺は白石派だからな。もっと大人の女が好みだよ。うちの若手が狙ってるようでうるさいんだよ。」


『なるほど、その営業部の若手がもしかしたら、あることないことを吹聴しているとか!?|』

と思ったりもした。

まあ、でも、長瀬さんの話が本当であれば、最近連絡が来ないことは理解できる。

とにかく今はそんな遊んでいる時間がないのでとりあえず立ち上げを成功せよう!と思った。


そして、ついに109店舗のオープン日が来てしまった。

オープン前の時間にどんな感じなのか見に行ってみた。

『やったー!今まで頑張った甲斐があったー!!』と涙がこぼれそうになった。

なんと館の入り口をから道玄坂の車道の先まで並んでいるのだ。

やっぱりGAL雑誌にはタイアップを組んで、色々プレゼンして赤文字にも編集ページで

かなり露出してもらったのが功を奏したのかな!?


オープンしてみると、やはり大人ぽいGALが多かった。これは想定通りだった。

ちょうど狙った通りのOLとGALの中間の客層だ。

そして想定したよりも綺麗めな女の子たちでパワーアイテムのワンピースは奪い合いであった。

試着して喜んでいるお客様の笑顔を見るととても幸せな気持ちになってくる。

僕も助っ人として店内に入っており、レジはできないので接客をしているところだった。

『この感じなんかに似ているな・・・』


僕の戦略としては、ガングロだらけのこの109GALマーケットに色白金髪イメージの

お姉さん系GALで風穴を開けることがミッションだった。

まあ、普通そんなカウンターカルチャーをぶつけようとは誰も思わないだろう。

何故かGAL雑誌も理解して応援してくれているので拍車がかかったのか。

とりえあえず立ち上げは大成功のようなので、あとはこの売れ状況をMDSSで分析して

3月店頭以降の肉付けを急いでしていかないと!

2/3しか仕込んでないからな。


と、午前中は接客しながらマーケットを体感して事務所に戻った。

「みんな、お陰様で売れ売れだよー!!オープン前は道まで並んでいたよ。

今まで接客してきたけど、女の子たちも狙った通りだった。ありがとうね!3月以降も頑張らないと!」

するとジュンが「私、午後から接客に入りますね!」

そうか、彼女はGALブランドで接客経験があるのだ。

「わかった。ジュンなりにお客の好みを感じ取ってきてね。で、他の2人にも教えてあげて。」

「でも、石塚さん!なかなかあの109で普通の男性は接客できませんよ!?すごいというのか?

女性に慣れているというのかな?ユキちゃんがトワルを下着に着ても平然としているし、なかなか希少ですよ。」


『そうなのか・・・もしかしたら僕は特殊個体・・・』


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