表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼の耳の番  作者: himi
7/34

7 番の告白



ジアが部屋を出て行った後、あみは冷たい床に座り込んだまま動けなかった

静寂が訪れたその空間で彼女の頭の中はジアの言葉でいっぱいだった


「番って何……?」


その問いが何度も胸の中で繰り返される

彼の冷たい態度と謎めいた行動に、あみの混乱はさらに深まるばかりだった



一人きりの部屋は、物理的な狭さよりも心理的な重圧を感じさせた

無骨な棚や散らばった書類、そして外から時折聞こえる低い声

この場所の全てが、あみの心を不安で満たしていた



「ここで何が起きているの?私がなぜここにいるの?」


自分の状況を把握しようとするも

答えは一向に見つからない

彼女は膝を抱え込み

自分が置かれた環境の異質さを痛感する



ふと、壁際に置かれた地図に目を向ける

そこには何かしらの計画が書き込まれているようだったが、文字や記号が見慣れないものであり

彼女には全く理解できなかった


「ジア……」


彼の名前を口にすることで、少しでも安心感を得ようとするが

彼の態度は温かいとは程遠く

その冷たい視線が脳裏に焼き付いている



その時、彼女の胸の奥に不意に湧き上がる感情があった

恐怖、混乱だけでなく寂しさ

ジアの言葉の裏に何か深い意味が隠されている気がしてならなかった



やがて、外から聞こえる足音が近づき

ジアが部屋に戻ってくる気配を感じた

その瞬間、あみは意を決して立ち上がり、彼に問いかける覚悟を決める



「あなたが言った“番”って、一体どういう意味なの?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ