7 番の告白
ジアが部屋を出て行った後、あみは冷たい床に座り込んだまま動けなかった
静寂が訪れたその空間で彼女の頭の中はジアの言葉でいっぱいだった
「番って何……?」
その問いが何度も胸の中で繰り返される
彼の冷たい態度と謎めいた行動に、あみの混乱はさらに深まるばかりだった
一人きりの部屋は、物理的な狭さよりも心理的な重圧を感じさせた
無骨な棚や散らばった書類、そして外から時折聞こえる低い声
この場所の全てが、あみの心を不安で満たしていた
「ここで何が起きているの?私がなぜここにいるの?」
自分の状況を把握しようとするも
答えは一向に見つからない
彼女は膝を抱え込み
自分が置かれた環境の異質さを痛感する
ふと、壁際に置かれた地図に目を向ける
そこには何かしらの計画が書き込まれているようだったが、文字や記号が見慣れないものであり
彼女には全く理解できなかった
「ジア……」
彼の名前を口にすることで、少しでも安心感を得ようとするが
彼の態度は温かいとは程遠く
その冷たい視線が脳裏に焼き付いている
その時、彼女の胸の奥に不意に湧き上がる感情があった
恐怖、混乱だけでなく寂しさ
ジアの言葉の裏に何か深い意味が隠されている気がしてならなかった
やがて、外から聞こえる足音が近づき
ジアが部屋に戻ってくる気配を感じた
その瞬間、あみは意を決して立ち上がり、彼に問いかける覚悟を決める
「あなたが言った“番”って、一体どういう意味なの?」