表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼の耳の番  作者: himi
3/34

3 静寂の中の衝動



「あの…私は……」


あみが震える声で言葉を紡いだその瞬間

彼はは彼女の腕を引き寄せた



彼の動きは迷いがなく

まるでその瞬間を待ち続けていたかのようだった




彼の瞳があみを捉え

鋭く、深く

そしてどこか切なさを帯びたその眼差しに

あみは息を呑んだ


彼女の胸は高鳴り、言葉を続けることができない




次の瞬間、ジアの唇が彼女の唇に触れた



柔らかく、しかし確固たる意志を

感じさせるそのキスは、あみの心を一瞬で奪った



彼の手が彼女の背中に触れ彼女をしっかりと支える


その温もりは彼が守るべきものを見つけた

という決意を伝えているかのようだった



あみの頭の中は混乱していた

彼の行動の意味を理解しようとするも

彼女の心はただその瞬間に飲み込まれていく


彼の唇が離れると

彼は何も言わずに彼女を腕に抱き上げた


その無言の行動が

彼の決意をさらに際立たせていた



その時、遠くから轟音が響き渡りあみの耳に届いた


銃声だと気づいた瞬間、彼女の心臓は跳ね上がり

全身が硬直した


「なにこれ……?怖い!ここはどこなの!?」


心の中で叫びながらも、声を出すことすらできない


彼の腕の中で震えながら

彼女はただ状況に飲み込まれていくしかなかった



彼は依然として無言のまま

鋭い声で仲間たちに指示を飛ばしている


その冷静さと力強さに、あみは圧倒されるばかりだった

周囲の人々も、あみの存在に気づいているはずだが

戦いの最中で彼女に構う余裕などなかった



あみの心は混乱と恐怖でいっぱいだったが

彼の腕の中にいることで、ほんの少しだけ安心感を

覚えている自分に気づき、さらに戸惑った




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ