元婚家は幸福へ、元実家は不幸へ
「そういえば、ミッシェル様の調子はどうですか?」
「特に問題はない、お腹の子も順調に育っているよ」
そう、ミッシェル様のお腹には元旦那様との子がいる。
これも計画的な行動である。
私と離婚すれば元旦那様にはすぐに新たな縁談が入ってくる。
それではミッシェル様とは結ばれない、そこでミッシェル様との仲を強引にでも認めさせなければならない。
ならば手っ取り早い方法は後継ぎを作れば良い。
勿論、元旦那様とミッシェル様ともお話して計画的に妊娠してもらったのだ。
「両親も後継ぎが出来れば文句は無いし仕事も出来るからね、発言力は衰えてるよ」
「あの方達は自分達の意見が正しい、と思っていますから自分達の思い通りにならない事がある、と良い勉強になったのではないでしょうか」
「……何もかもが君の思い通りになって若干怖いよ」
「周囲が考えが無さ過ぎなのですよ」
そうピシャリと言い切った。
人の人生を意のままに動かそうとしていたのだ、世の中そんなに上手くいかない、と思い知ればいいのだ。
後日、新聞にデカデカとある記事が載っていた。
『ユリア・コンシュランド公爵令嬢と第2王子の婚約が解消、新たにシチュアート帝国の皇女との婚約が決定』
「あらまぁ……、帝国の皇女様だったら文句も言えないわね」
「なんでも国王様が頭を下げて頼んだそうですよ」
どんだけユリアとの結婚を阻止したかったんだろう。
「これで元実家は没落確定ね」
今頃は荒れてるんだろうなぁ、と思う。